国会での活動
【08.01.11】企業は利益配分で家計部門への配慮が必要と日銀総裁が答弁
2008年1月11日、佐々木憲昭議員は財務金融委員会で日本銀行の福井俊彦総裁に「日銀報告」について質問しました。
佐々木議員は、日本経済には、大企業と中小企業とのあいだの格差、大企業の利益がバブルを超える高い水準なのに、労働者の賃金は低迷という2つのネックがあると指摘し、これが今後の経済発展に重要だと強調し、日銀総裁としての認識をただしました。
日銀の福井総裁は「企業の経営者は、次の需要が見えてくるためにも、家計部門への利益の配分がどうあるべきか、マクロの視点から十分認識を強めていただく必要がある」とのべ、企業は家計部門への配慮が必要だとのべました。
また、福井総裁は「家計部門の弱さが、日本経済の今後の景気の軌道に対してウイークポイントにならないかどうかという点は、十分に丹念に点検していきたい」と答えました。
さらに佐々木議員は、「過去10年間で企業所得は13.4兆円増だが、雇用者報酬はマイナス11.3兆円だ」と指摘し、大企業の利益を国民に還元する必要性について問いました。
福井総裁は、企業と労働者の意思決定を通して賃金が決まるので、日銀が政策的に介在するのは難しいとしながらも、「生産所得・支出の好循環のメカニズムを今後とも維持しなければならない。企業が投資として使う所得と、賃金というかたちで家計部門に還元される所得の配分がいびつな場合、好循環のメカニズムにどこか欠点が出てくる」とのべました。