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国会での活動

国会での活動 − 政府要請その他

【07.11.21】全院協が財務省に要請

 2007年11月21日、佐々木憲昭事務所では、全国大学院生協議会(全院協)の方々とご一緒に、政府要請を行いました。

リンク全国大学院生協議会(全院協)サイト

財務省への要請文

大学院生の研究環境改善を求める要請
 私たち全国大学院生協議会(以下、全院協)は、大学院生の生活・研究諸条件の向上、大学における大学院生の地位・権利の確立を求めて運動している組織で、全国の国公私立大学の院生協議会・院生自治会によって構成されています。
 現在、格差社会・ワーキングプアをめぐる状況が社会問題化するなど、所得格差の拡大と雇用の不安定化が進む中、急速に進められる大学改革の影響も伴って、私たち大学院生の経済状況や研究環境はますます厳しいものとなっています。全院協が毎年行っている、全国の大学院生を対象にしたアンケート調査では、「進学を希望しているが、今後何年にも渡って高額な学費を払い続けられるのか心配」、「今年は何とかなったが来年が不安。授業料の減免額や奨学金の申請枠を増やして欲しい。お金が無くてどうしようもない」、「授業料の高さ、減免枠の狭さに加えて将来への不安がつねに大きくのしかかっていて、いつ退学しようかとずっと思い続けている」といった、特に学費と奨学金に対する非常に切実な声が寄せられています。私たち全院協は、そうした大学院生の研究生活の深刻な実態が少しでも改善することを希望し、以下の項目について貴省に要請いたします。

要請事項
1. 国立大学予算の拡充
(1)国立大学運営費交付金の効率化係数による1%削減を中止するとともに、基盤的経費拡充の観点からの国立大学運営費交付金の増額を求めます。
(2)国立大学運営費交付金の競争的資金化を中止するよう求めます。
(3)国立大学大学院の学費の減額及び免除制度に繋がる十分な予算措置を講じるよう求めます。

2.私学助成
(1)私立大学大学院生の研究生活を保障するため、現在増加している特別補助・高度化補助ではなく私学助成金の一般補助の増額を求めます。

3.奨学金制度充実のための予算措置
(1)奨学金採用枠・無利子奨学金と返還免除枠の拡大につながるよう、奨学金事業の予算拡大を求めます。
(2)給付制の奨学金制度の創設を求めます。

4.留学生
(1)留学生院生の経済的援助の拡充と宿舎確保支援の徹底を求めます。

要請趣旨
1.国立大学予算の拡充
 (1)国立大学に配分される運営費交付金は、国立大学の全体収入の約半分を占め、その大半が教職員の人件費に充てられていることから分かる通り、運営費交付金は国立大学法人の最低限の活動のための基盤的経費であり、運営費交付金の削減は教職員の人員削減と教育研究費の削減、そして授業料の値上げに直結するものです。
 2007年度予算で見ると運営費交付金は全体で約1兆2044億円を計上され、内訳は教育研究経費相当分(9821億円)、退職手当等(1378億円)、特別教育研究経費(845億円)でした。教育研究経費の大部分は人件費で教職員数など学校規模に応じて一律配分されていますが、全体の約7%にあたる特別教育研究経費には競争原理が導入され、研究成果などに応じ傾斜配分されています。2006年度の運営費交付金は東京大学に最も多く、899億円を交付され、最も少ない小樽商科大(14億円)と885億円の差があるなど、基盤的経費である運営費には既に格差が広がっています。実績に応じて配分する「特別教育研究経費」の導入によって、上位10大学で運営費全体の4割を占めているということが現状であり、地方大学は苦しい運営を強いられています。
 法人化後の4年間で、運営費交付金の基盤的経費分は、毎年一律1%の効率化係数により減らされ、総額で約550億円が削減されました。これは数大学(学部なら数十学部)の廃止に相当する額であり、各大学は、欠員補充の抑制や人件費、諸経費削減などで必死に対処していますが、教育の質を保つのも限界に近くなっていることは多くの事例によって示されています。1%削減とはいえ、規模の小さい大学でも削減金額は年間数億円に相当し、受託研究費など外部収入に期待できない教育系大学や地方大学にとって交付金の減額は経営を直撃しています。例えば、鷲山恭彦氏(日本教育大学協会会長 東京学芸大学長)は運営費交付金の毎年1%削減に対して、「結局、教員の大幅削減しか打つ手がなくなる。私が学長を務める東京学芸大の場合、5年間で4億円削減という目標値を達成するためには、大学教員の1割以上を削減せざるを得ないのが実情だ。教員養成系大学・学部はどこも似たような状況で、行財政改革の意義は十分理解しているつもりでも、これでいいのかという疑問は消えない。2004年度の運営費交付金は約1兆2400億円だったが、今年度は約1兆2000億円。東京学芸大の運営費交付金は年間90億円だが、私たちと同じ規模の大学が既に四つ消えたことになる。」(『読売新聞』2007年5月4日付)と深刻な現状を述べています。
 NHKがすべての国立大学の学長を対象に行なったアンケート調査結果(90%にあたる77人から回答)によると、交付金の額については、「まったく十分でない」が45%、「あまり十分でない」が52%と、ほぼすべての学長が不十分だと感じています。さらに同調査によると、交付金削減の具体的な影響として、「教職員給与の削減を余儀なくされ、備品や設備の更新にも遅れが出ている」、「学問分野の縮小など、大学の機能に影響を及ぼしている」など、多くの学長が今後の教育・研究活動に危機感を抱いています。
 以上を踏まえ、国立大学運営費交付金の効率化係数による1%削減を中止するとともに、基盤的経費拡充の観点からの国立大学運営費交付金の増額を求めます。

 (2)このような国立大学の基盤的経費である運営費交付金について、2007年2月27日、経済財政諮問会議の有識者議員が発表した「成長力強化のための大学・大学院改革について」では、「大学の努力と成果に応じた国立大学運営費交付金の配分ルール」として、国立大学法人と私学を区別せず、国の支援は大学の努力と成果に応じたものにするよう大学再編も視野にいれるという提言がなされました。
 この提言については、各新聞社が一斉に取り上げ社会的に注目が集まり(「国立大、競争原理に悲鳴 文科省試算 交付金見直せば校数半減」、「学長らから悲鳴に近い訴えが相次いだ。」「日本の大学教育がほろびかねない」「地方の大学は抹殺される」朝日新聞3月18日付など)、臨時議員として出席した伊吹文科相(当時)は、「提言に異論はないが、大学の努力と成果をどう評価するかは難しい。大学の多様な取り組みを支援するような形、文部科学省が一つの方法を打ち出すようなことはなるべく避けたい」として、間接的ながらも批判的な見解を述べました。その後地方紙を入れて何十という社説でこの問題は取り上げられ、社会的批判が高まっています。
 運営費交付金が競争的資金化されることによって、例えば財務省の試算(科研費の配分割合)では、85%の国立大学で運営費交付金が削減され、一部の大規模大学に予算が集中化するということが示されています。運営費交付金は先に見た通り1%削減でもその影響は大変大きいものであります。これ以上の学費負担増、教育研究環境の悪化を招くだけではなく、国立大学の統廃合を通じた「選択と集中」(伊藤隆俊氏『日本経済新聞』4月2日付)を意図した国立大学運営費交付金の競争的資金化を中止するよう求めます。

 (3)さらに運営費交付金削減による直接的影響として、授業料の値上げが挙げられます。国立大学法人以降ほぼすべての大学が授業料値上げに踏み切ったことは私たち大学院生にとって非常に厳しい状況を生み出しています。「毎日新聞佐賀版」2007年6月26日付によれば唯一授業料値上げをしなかった佐賀大学も、「佐賀大:授業料値上げ 国の「標準額」53万5800円に−−来年度から」とあるようについに値上げせざるを得ない状況に追い込まれています。同紙によると、「佐賀大学は04年の独立行政法人化後、国の運営費交付金が削減される中で、05年度の国の授業料標準額の引き上げ時も全国の国立大学で唯一、金額を据え置いていた。しかし、今年度までの3年間に運営費交付金が3億円削られ、経費節減の取り組みに限界があることなどから、引き上げに踏み切った」とのことです。このように運営費交付金削減はそのまま授業料の値上げにつながるものであることは明らかです。
 昨年秋に、私たち全院協が行ったアンケート調査(『2006年度大学院生の経済実態に関するアンケート調査報告書』として公表)では、国立大学の約53%の学生が「収入の不足が研究に影響を及ぼしている」と回答し、「具体的に研究にどのような影響が出ていますか。(複数回答可)」では、「学費が払えない」が約5%、「アルバイトにより研究時間が無い」約16%、「研究の資料/書籍を購入できない」18.5%、など、深刻な実態を示しています。奨学金・仕送り・アルバイト以外に収入のない大学院生にとって、年間約54万円、月に直すと約4万5千円もの授業料を払うことは相当な負担です。このように、学費が大学院生の支出の大きな割合を占めるほど高額であるという現実が、「収入の不足」を生じさせていることは明白です。
 またこのような高学費の負担を軽減するための学費免除制度は、国立大学の法人化後も従来の形式が保持されましたが、その予算枠は年々縮小しています。全院協のアンケートにも、「学部の頃から同大学に所属しており、学部の頃から学費の減免措置を受けてきたが、当初と比較して収入が減っているのに、今年は減免が通らなかった。」、「去年は、親の所得が低かった為、授業料が1/2減免され非常に助かったが、今年は、親の所得が1/2以上少なかったにも関わらず減免措置をとってもらえなかったので、経済的にとても厳しい」など学費免除制度の不十分な実態が寄せられています。
 以上のことを踏まえ、私たちは、大学院生の研究環境の改善を図るために、貴省に対して、国立大学法人が学費の値下げを行えるような施策を講じることを求めます。また、国立大学大学院の学費の免除制度を拡充すべく、十分な措置を講じるように貴省に要請します。

2.私学助成
 (1)日本学生支援機構が平成18年度に行った学生生活調査によれば、私立大学に通う大学院生の生活費は毎年約5万円ずつ減っており、「生活費は、修士課程では、国立が私立に比べ約18万円高」いとされています。また、公教育において私立学校が重要な役割を演じているにもかかわらず、私立大学に通う学生一人に対する国費支出は、国立大学のそれに対して16分の1という現状も当然解決すべき問題です。私立大学の学費が上がり続ける中でこのような生活実態と国私間格差があり、研究環境がますます逼迫してきていることを率直に受け止めてもらいたいと思います。
 一方、私立大学等経常費交付金は、昭和50年の参院文教委員会付帯決議における当初の目標である「経常経費の2分の1の早期実現」には一度としてとどいておらず、昭和55年以降から現在に至っては実現する兆しさえ見えません。ましてや、基本的に学費軽減に結びつく一般補助は95年以降年々減額されています。少子化に対応した大学・大学院作りは、経常経費に対して2分の1の補助を達成した後の議論であるべきです。よって、「特別補助・高度化補助の増額に頼らず」、一般補助自体の毎年の拡充を求めます。
 また、昨今議論されている私学助成金の競争的資金化があります。しかし、そもそも私学助成金は一般補助からはじまり、「一般補助に上乗せして」助成される高度化補助で競争化はされているのが現状です。そのなかでの一般補助の競争的資金化は、わが国の基礎研究の裾野を切り捨てることになるのは言うまでもありません。このことから、私学助成金、特に一般補助についての競争的資金化に反対し、現行の定員達成率による傾斜配分でも基本額からマイナス評価をつけないよう要求します。
 さらに、今年の10月に東京大学は博士後期課程の学費を0円にすることを決めました。これは修士課程の大学院生が就職してしまう、所謂「頭脳流出」が起きていることを反映していると考えられます。近年の大学改革のなかで、国立に増して逼迫する私立大学に所属する大学院生の現状をふまえ、私立大学に通う大学院生(または、その家庭)が負担する学費がより軽減する一般補助の算定方式を求めます。

3.奨学金
 (1)近年、奨学金採用者の第1種(無利子枠)と第2種(有利子枠)との内訳を見ると、第2種(有利子枠)の比率がここ数年で急増しています。その内訳は、平成15年度では第1種(無利子)72.7%、第2種(有利子)27.3%であったのにたいし、平成17年度では第1種(無利子)61.5%、第2種(有利子)38.5%となっており、2年間だけでも無利子採用が11.2%減少し、有利子採用がその分増加しています。特に修士課程の場合、第1種32065人、第二種33194人と、第2種受給者のほうが多くなっていることも問題としてあげられます。奨学金制度の拡充につながる予算増の具体的内容として、大学院生の安定した研究生活、経済的負担軽減のために、有利子枠奨学金枠にたいする無利子奨学金枠の予算配分の拡充を強く求めます。
 また、2004年4月の日本学生支援機構の改編にさいして、第1種奨学金の返還免除規定が廃止され、新たに「特に優れた業績をあげた大学院生」への返還免除制度が創設されました。この制度導入により、「免除職」への就職が返還免除基準になるのではなく、「機構の設置する学識経験者を含む委員会による審査」がこれを決定することになりました。具体的な内容の判断基準は各大学が独自に設定するものであり、統一的な判断基準が明記されていないだけでなく、返還免除枠もきわめて狭いものとなっています。返還免除枠は平成17年度では貸与が終了した第1種奨学生(21372人)のうち、全額または半額免除者は27.7%(5927人)であり、全体から見ると低い割合です。また、返還免除者に占める全額免除者の割合は修士課程で9.2%、博士課程で8.3%でしかなく、半額免除者の割合にくらべるときわめて低い比率です。また、修士課程では、第1種(無利子枠)と第2種(有利子枠)との採用の割合がほぼ同じ割合であるうえ、全体の半数を占める第2種奨学生は返還免除の対象から除外されています。したがって、特に修士課程では免除されるものはごく一部と言わざるを得ません。
 大学再編のなかでの常務研究職の縮小、雇用不安定化のなかで、大学院生の経済的負担を軽減するためにも、一層の返還免除枠への予算配分拡充を求めます。

 (2)現行の日本の奨学金制度は無利子にせよ有利子にせよ、「貸与制」であり、それが「借金」であることに違いはありません。実際に、日本では奨学金がすべて「借金」であることから、奨学金制度の利用を回避するものも多数存在します。学術創成科研が行った保護者調査(2005年度)によると、奨学金が「借金」であることから、経済的負担となるので借りたくないと考え、奨学金の利用を回避する院生の保護者は57%(負担なので借りたくないと「強く思う」が14%、「そう思う」が43%)となっています。これは「社会的身分、経済的地位……によって、教育上差別されない」「ひとしく教育を受ける権利」(教育基本法第3条)があるという見地からみても、きわめて高い比率であり、この機会均等権利が脅かされていることは確かなことと言うことができます。
 近年までの長期不況と大学再編のなかで常勤研究職の縮小、雇用の不安定化が切実な問題となっている大学院生にとって、奨学金返済の経済的、精神的負担は他にもまして大きいものがあります。そうした負担を軽減し、大学院生の安定的な研究条件を確保するためにも、「給付制」奨学金制度の創設による予算配分措置を求めます。

4.留学生
 (1)日本学生支援機構の平成18年度調査によると、現在わが国が受け入れている留学生総数は、117,927人です。1983年に文部省(現文部科学省)が「留学生受け入れ10万人計画」を施行して以降、90年代初頭の減少が見られる時期を除き、一貫して現在まで留学生総数は増加傾向でした。しかし、平成18年度になると、留学生総数は減少傾向を見せていますが、大学院生に限ってみれば増加傾向に変化はなく、むしろ1983年以降、その増加傾向は急激なものとなっています。つまり、1983年に受け入れている留学生院生総数は3,905人であったのに対し、2006年では30,910人で、約7.9倍の増加を見せています。
 このような大学院留学生受け入れの拡大は先に指摘した「留学生受け入れ10万人計画」によって政策的に行われてきたにもかかわらず、日本政府からの留学生院生に対する支援は薄いものとなっているのが現状です。よって、全国大学院生協議会(以下全院協)は、日本学生支援機構が平成17年度に私費留学生(5,500人)を対象に行った調査(『平成17年度私費外国人流学生生活実態調査』、以下「調査」)を参考にし、現在留学生院生が置かれている現状を明らかにするとともに、奨学金の拡充と、宿舎確保の徹底を要請いたします。
 第一に、指摘しなければならない問題は、経済的困難です。先ほど挙げた「調査」によると、留学生院生の項目別平均月支出額の内訳のうち2001年度と2005年度を比較して増加傾向を示している項目は、授業料と授業料以外(文具、書籍購入)で構成される学習研究費です。一方、同期間に減少している項目は、食費と残高(預金)であり、食費を切り詰め、預金を切り崩しながら留学生院生は研究を行っていることが明らかになっています。
項目別平均月収額を見ると、2001年度と2005年度比較で増加傾向を示しているのが、親・兄弟または親戚からの仕送り、アルバイトです。一方、同期間で減少傾向を示している項目は、奨学金、保証人等知人からの援助、配偶者からの収入です。よって、このことが示している内容は、奨学金給付額が傾向的に減少したため、その補填として仕送りの増額、アルバイト時間を増やしていることが明らかとなっています。
 研究時間と奨学金支給金額との関係を見ると、奨学金が充実している留学生院生ほど研究時間が確保できる状況が明らかとなっています。例えば、奨学金を受給していない留学生院生の1週間の平均研究時間は、7〜14時間未満に集中しているのに対して、奨学金を11万円以上受給している留学生院生の研究時間は、49時間以上確保できています。また、昨年度全院協が行ったアンケートを見ると、90%の私費留学生院生が「収入の不足が研究に影響を及ぼしている」と回答しています。また、その具体的内容を見ると、「アルバイトにより研究時間がない」(25%)、「研究の資料・書籍を購入できない」(23.3%)であり、経済的困難からアルバイトに従事せざるを得ず、結果として研究時間が割かれているという現状です。このことから、奨学金を受給している額に比例して、研究時間の確保量が増減していることは明らかです。
 よって、留学生院生が抱えている経済的困難を解決するためには、私費留学生院生に支給されている学習奨励金を拡充させる必要があります。私費留学生院生に対する国の支援は、この学習奨励金という形で行われていますが、その内容をみると、期間は一年間のみであり、給付額は月70,000円、給付が行われているのは私費留学生院生全体の16%(=3,400人、2004年度)にしか給付されていないからであります。よって、留学生院生の研究時間確保のために、経済的援助の拡充を求めます。
 第二に、指摘しなければならない問題は宿舎の問題です。平成17年度調査時点では、留学生総数は117,927人、そのうち国や学校、公益法人が設置する公的宿舎に入居できている留学生数は、27,767人で、その割合は23.5%です。残りの76.5%の留学生90,160人は民間の宿舎やアパートに入居している状況です。この問題について、文部科学省は「留学生交流関係施設の現状等について」のなかで「外国人留学生にとって、民間宿舎・アパートへの入居は、一般的に厳しいわが国の住宅事情や高い家賃、敷金・権利等の観光等による経済的出費が高いだけでなく、入居時の際に必要とされる保証人を探すことが困難であることや、外国人留学生に部屋を貸した元来家主の消極姿勢などさまざまの障壁があり、きわめて厳しい状況」であると指摘しています。
 以上、現在留学生院生が抱えている問題を述べてきました。とりわけ深刻な問題として全院協が提起したい問題は経済的困難の問題です。日本政府の政策によって拡充を続けている留学生院生の受け入れ政策は、受け入れた後の生活や研究過程に関しては各自の自助努力に任され、責任主体である政府が行っている支援は非常に手薄なものといわざるを得ないのが現状です。
 よって、全院協としては、貴省に留学生院生の経済的援助の拡充と宿舎確保支援の徹底を要請いたします。

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