国会での活動
【06.12.22】日本美術刀剣保存協会「刀剣審査」の透明性にに関する質問書に答弁
佐々木憲昭議員は、2006年12月12日に、「財団法人日本美術刀剣保存協会の刀剣審査の透明性に関する質問主意書」を、衆議院議長を通じて内閣に提出しました。
その答弁書が、12月22日に内閣から衆議院議長に届けられました。
ことの発端は、公益財団法人である日本美術刀剣保存協会(会長理事=佐々淳行氏)における「刀剣審査」のあり方、その透明性についての疑惑が指摘されたからです。
2005年5月、文部科学大臣宛にも匿名の投書が送られました。
その内容は、「重要刀剣、特別重要刀剣の審査制度が一部の理事と業者の癒着によって歪められている」というものです。
このような指摘があったことについては、2005年10月20日の衆議院文部科学委員会で、同財団を所管する文部科学省・文化庁も認めています。
日本美術刀剣保存協会は、「刀剣類並びに刀装・刀装具を審査し、保存・特別保存、重要・特別重要刀剣等の鑑定・指定を行う」ことを事業の一つとしています。
今日では、全国の刀剣商や刀剣収集家から持ち込まれる刀剣を審査する役割も担っているのです。
これらの刀剣は、「特別重要」「重要」「特別保存」「保存」の四階級に区分され、「特別重要に指定されれば重要文化財クラス」ともいわれるほどの評価を受けるものです。
同時に、金額的にも相当の価値を生んでいることも周知の事実です。
実際、当該財団(保存協会)の審査で上位階級に指定されると、例えば一振100万円〜200万円相当の刀剣が、その数倍から十数倍へと金額的にも跳ね上がるといわれています。
ある刀剣愛好家が、実際には100万円程度の美術刀剣を1億数千万円の「価値」をつけられて購入させられたとか、協会の役職員や審査員本人、その親族が、審査会に申請して評価をつり上げているとか、一部業者との癒着なども指摘されています。
じっさい、協会が発表している「重要刀剣等指定品」の一覧(『刀剣美術』)のなかで、理事ら現職の役員が申請した刀剣が「重要刀剣」として指定されているのです。
佐々木議員は質問主意書で、政府が実態解明のためのいかなる対策をとってきたか。その結果、どのような事実が明らかになったかと、問いました。
答弁書によれば、当初、協会から「協会の役職員及びその親族並びに刀剣等の審査の審査員が審査を申請できないようにすること等の改善措置を講じたとの報告を受けた」が、その後、「当時の協会の報告は協会の意思としてなされたものではないと考えている」という、まったく逆の開き直りともいうべき報告を寄せているそうです。
このため、文化庁では、協会に対し「より詳細な事実関係の調査、今後の業務改善措置等について、報告を求めている」そうです。
「文化庁としては、協会が公益法人として適切な法人運営を行い、社会的信頼を確保することが最も重要であると考えており、協会から詳細な事実関係の報告を受けた後、当該報告の内容を踏まえ、必要な指導監督を行ってまいりたい」と答弁しています。
この協会は、公益法人として国から補助金を受け、税金を減免されています。国民から疑惑をまねかないよう、根本的な改善が求められます。