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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワードその他

【政治経済キーワード】白票(はくひょう)、青票(せいひょう)

2005年7月15日


 7月5日、衆院本会議で郵政民営化関連法案が、賛成233票、反対228票のわずか5票差で自民党、公明党の賛成多数で可決されました。自民党から、反対や欠席・棄権の議員が多数出ました。自民党議員で反対したのは37人、棄権したのは14人でした。
 衆議院本会議での表決は、起立によって行う方法を原則としていますが、厳格な方法として記名投票があります。それは、(1)議長が必要と認めたとき、または(2)出席議員の5分の1以上の要求があったときに行われます(衆議院規則第152条)。その際、賛成者は白票、反対者は青票を投じることになっています(同・規則第153条)。

  • 衆議院規則第153条 「記名投票の手続」 記名投票を行う場合には、問題を可とする議員は白票を、問題を否とする議員は青票を投票箱に投入する。

 衆議院で使っている札の大きさは、長さ9cm、幅3.15cm、厚さ0.6cmのヒノキの板です。議員の机には、白、青それぞれ6枚が用意されており、すべて議員の名前が書き込まれています。名前を呼ばれた各議員は、このいずれかの札を持って演壇に向かい投票を行います。
 ところで、なぜ「賛成が白票(はくひょう)」で、「反対が青票(せいひょう)」なのでしょうか。古来、日本では色の対照として、源氏の白旗、平家の赤旗、運動会の紅白リレー、大晦日の歌合戦など赤と白が数多く使われてきました。ほかに碁石の白黒、相撲の白黒などがありますが、歴史をさかのぼれば、1890年(明治23年)、帝国議会開設当時の衆参両院の規則によって規定されています。
 その由来については、フランス議会の投票方式を取り入れたといわれています。日本で帝国議会が開設された当時のフランス代議院規則、および元老院規則は、「各議員は其の姓名を印刷せる投票用紙二枚を有す 白票は其の賛成を表し 青票は其の反対を示す 使吏は各員に投票函を差出し之に投票を投入せしむ」と規定しています。日本では各議員が登壇して投票しますが、フランスでは投票箱を持って回りました。これを除けば、現在の日本の規則はほぼ同じです(上記別項参照)。
 では、なぜフランス議会が白と青をとりいれたのか、残念ながら確固とした根拠はありません。ただ、日本では表決(採決)のとき、賛否を問う二者択一なのに対して、フランスでは棄権も認められており、その時は赤色を使います(日本では、議場閉鎖の際「退場」して棄権の意思表示をする議員がいます)。フランスの国旗は、青、白、赤の三色旗。白は自由、青は平等、赤は博愛を象徴するといわれ、投票の際の色は、この三色旗と奇しくも一致します。このあたりが「白票、青票」の根拠になっているともいわれています。
 ちなみにフランスでは、1959年に電気投票方式が採り入れられ、故障の時だけ昔のように職員が投票箱を持ち回り、記名投票が行われます。日本の場合、参議院では1998年(平成10年)の第142国会から「押しボタン式投票」が導入され、表決の原則がそれまでの起立採決から押しボタン方式に変更されました。しかし記名投票がなくなったわけではなく、衆議院と同様、議長が必要と認めたときや、出席議員の5分の1以上の要求があったときは記名投票で表決をとらなければなりません(参議院規則第138条)。各年度の予算案をはじめ、衆議院と同じように重要案件では記名投票で採決が行われています。

記名投票が行われた主な例(直近の3年間)

03年03月 03年度予算案
03年07月 小泉内閣不信任決議案
03年11月 内閣総理大臣の指名
04年03月 04年度予算案
04年05月 国民年金法一部改正案
04年06月 小泉内閣不信任決議案
04年08月 厚生労働大臣・坂口力君不信任決議案
05年03月 05年度予算案
05年06月 議院運営委員長・川崎二郎君解任決議案
会期延長の件
05年07月 郵政民営化法案

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