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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワード税制(庶民増税・徴税)

【政治経済キーワード】個人所得課税の抜本的見直し

2005年6月17日


 「個人所得課税の抜本的見直し」が、来年度の税制改正に向けた政府税制調査会の報告書に盛り込まれることになりました。所得税の控除について全般的に見直しの方向性を示すことになります。石弘光税制調査会会長は、この見直しの目的を「所得税制のひずみ・ゆがみ、不公平を改めること」と説明しますが、自らも認めるよう所得控除の縮小・廃止により「課税ベースが拡大」され、全体として「増税」となることが本当の狙いです。

 所得税額を計算するには、まず、収入金額からサラリーマンに対する給与所得控除や年金生活者むけの公的年金等控除などの控除を行い、所得金額を計算します。次に、所得金額から所得控除を引き課税所得を算出し、その課税所得に税率をかけて所得税額を計算します。所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除などの人的控除や雑損控除、社会保険料控除などがあります。「抜本的見直し」では、給与所得控除の縮小や所得控除のうち人的控除の縮小・廃止を中心に検討されています。

 給与所得控除の縮小は、所得税の課税最低限をさらに引き下げ、低所得者に対して新たな負担を負わせる庶民増税となります。また、人的控除は、所得のうち本人およびその家族の最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないという考えに基づくものであって、憲法25条の生存権の保障を税制に反映したものです。今検討されている配偶者控除の廃止など人的控除の縮小・廃止は、まさに憲法上の要請に反するものであり、一方的な縮小は許されません。

 小泉内閣になって、配偶者特別控除の縮減や老年者控除の廃止など非情な所得税法の改悪が繰り返され、所得税の課税最低限はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスと比較してもっとも低くなりました(表)。来年から進めようとする「個人所得課税の抜本的見直し」は、その課税最低限をさらに低くし、低所得者に負担を強いるものです。このような憲法にも反する非民主的な庶民増税を許してはなりません。

表.所得税の課税最低限の国際比較(給与所得者) 2005年1月現在(単位:万円)

日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス
夫婦子2人 325.0 357.5 359.3 500.7 402.9
夫婦子1人 220.0 322.6 304.8 397.5 353.0
夫婦のみ 156.6 178.7 232.0 253.6 310.2
独身 114.4 89.3 180.1 133.9 205.2
資料:政府税制調査会

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