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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワード税制(庶民増税・徴税)

【政治経済キーワード】財政審(財政制度等審議会)

2005年6月10日


 「財政制度等審議会」は、財務大臣の諮問機関として学識経験者や財界代表、連合代表、ジャーナリストなどから構成されており、そのもとに財政制度分科会や財政投融資分科会などが設置されています。審議会は、毎年6月と11月に次年度の予算編成に際し、財務大臣に建議を提出しています。これが「骨太の方針」や「予算編成の基本方針」に反映される仕組みとなっています。
 さる6月6日、同審議会・財政制度分科会は2006年度予算編成の基本的考え方を示す建議(意見書)を財務大臣に提出しました。そのなかで最大の焦点にしているのが、社会保障費の抑制です。意見書では、「給付と負担の規模を国民経済の『身の丈』にあったものに抑制」「高齢者の自己負担等の見直し」などをかかげ、社会保障給付費の抑制や、高齢者の医療費自己負担(現行70歳以上で1割負担)の引き上げなどを提言しています。
 財政制度分科会の西室泰三会長(東芝会長)は、社会保障について「はっきりとした管理目標を設定することを骨太方針で打ち出してもらいたい」と、来年度予算案で社会保障を押さえ込む目標を明確に定めるよう主張しています。
 一方で同意見書は、ムダな大型公共事業の温存・拡大をはかる公共事業の「重点化・効率化」の必要性を提言、大型公共事業の拡大路線を改めようとしていません。そればかりか「歳出削減だけでは政府の財政再建目標を達成することは不可能」として、消費税率引き上げなど「歳入面での改革」が不可欠であると踏み込んでいます。
 高齢化が進めば社会保障の給付費が増加するのは必然です。このことを無視して「経済成長に見合う程度に社会保障を抑制する」ということは、低所得者や高齢者から医療や社会保障を受ける機会を奪ってしまうことになりかねません。

 同審議会は、1950(昭和25)年に財政制度審議会として国の予算決算・会計の制度に関する重要事項を調査審議するために設置されました。その後、省庁再編にともない審議会の整理合理化が行われ、当初の財政制度審議会に、国家公務員共済組合審議会、国有財産中央審議会、たばこ事業等審議会が合同して、現在の「財政制度等審議会」と衣替えしたものです。
 設置当初は、会計技術上の問題を扱うことが多かったといわれていますが、その後、「格上げ」され、文字通り政府・財務相の諮問機関として、消費税率引き上げ、年金給付の大幅カット、基礎年金国庫負担引き上げの見送りなどを提言、国民に負担増を押しつける政府予算を先取りしてきました。今回の意見書(建議)で社会保障を中心にした徹底した「歳出削減」の先に想定されているのは、07年度以降の消費税増税です。

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