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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワード平和・憲法

【政治経済キーワード】現代の傭兵(民間軍事会社)

2005年5月20日


 傭兵(ようへい)とは、「雇用契約によって俸給を与え、兵隊として働かせること。また、その兵。雇(やとい)兵」(広辞苑)のことをいいます。古くは中世から近世の初めにかけて活動したものですが、現代においてもその姿は消えることなく、むしろ近代の戦争概念を揺るがす新たな「傭兵」=「現代の傭兵」ともいわれています。
 その一般的なタイプとしては、(1)義勇兵とよばれるタイプ(ソ連のアフガニスタン侵攻やボスニア内戦において外国のイスラム教徒が義勇兵という形で参加した例など)、(2)航空機・艦艇などの操縦や整備、訓練を受け持つ技術者――冷戦時代に見られたケースで、航空機・艦艇の製造国である先進国のパイロットや技術者が、発展途上国の空軍や海軍に派遣されて技術指導や訓練、実戦に参加するケース、(3)元軍人(特に特殊部隊員)を中心に構成される「傭兵企業」のような営利目的のタイプ、などがあります。

 とりわけイラク戦争のなかで「存在感を高めている」といわれるのが、米軍の業務の一部を請け負う民間軍事会社(PMC=プライベート・ミリタリー・カンパニー)です。専門家や米メディアの報道によると、イラクでは少なくとも約60社の民間軍事会社が何らかの軍事関連業務に従事しています。人数にして約2万人、イラク駐留米軍が13万8000人ですから、この1割をはるかに上回る人数です。
 具体的な業務内容は、(1)食料や燃料、装備や弾薬の運搬・供給などの兵たん活動、(2)米軍やイラク治安部隊の訓練・顧問、(3)各国政府要人や軍事・民間施設、物資輸送の警護――などです。昨年3月、イラクのファルージャで4人のアメリカ人が武装グループによって殺害され、市中を引きずり回される残虐な事件がありましたが、殺された4人は米国民間軍事会社ブラックウォーター社の社員として米軍の食料運搬の警備を請け負っていました。社員といっても、米軍の元特殊部隊のメンバー。「現役の軍人ではなく、高額の報酬を得て働く民間人」「戦争の現場でビジネスとして働く民間人」でした。先日、イラクの武装勢力によって被害を被ったとされる日本人・斎藤昭彦さんが勤務していたハート・セキュリティー社(本部・キプロス)もこのような民間軍事会社の1つです。

 米軍が、民間軍事会社による後方支援を政府の方針として大規模に取り入れ始めたのは、1991年の湾岸戦争がきっかけといわれます。その後、ソマリア(1992年)やコソボ(99年)などの戦争を経て、ブッシュ政権のもとで強行されたイラク戦争に際して、「戦争の民営化」がさらに拡大されてきました。
 “イラク復興”の名のもとアメリカの様々な民間企業がイラクに入っていますが、このような民間企業も護衛のためPMCを雇っています。例えば、北部イラクの電力供給事業を請け負っている米大手の建設エンジニアリング会社は、警備のため自社の社員の2倍にあたる数のPMC警備兵を雇用、戦闘が激しいファルージャ近辺においては350人の従業員のために700人のPMC警備兵が配属されているといわれます。

 このようなPMC(民間軍事会社)は世界中に500社以上あるといわれ、アメリカ資本のほか、イギリス資本、南アフリカ資本、さらには多国籍の資本からなる企業もあります。活動地域はイラク以外に、コンゴ、エチオピア、コロンビアなど50以上の戦闘地域に及んでいます。

 これらのPMC警備員の日当は500ドル〜1000ドル(約5万円〜10万円)にもなる高給が魅力ともいわれますが、政治的背景としてはイラク撤退の世論が高まる米国内では、正規の部隊増強が困難となっており、世論をかわす意味で民間軍事会社に依存せざるをえなくなっていることも指摘されています。現に、PMCの民間兵は正規の軍人でないため、使い捨てが簡単で万事が金で済ますことができる、さらには戦死者としてもカウントされないという、政府にとって「好都合な存在」ともいわれています。

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