国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【05.03.11】西武事件「再発防止のために証券取引等監視委員会の機能強化を」
2005年3月11日財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、西武グループの有価証券報告書虚偽記載問題について、伊藤金融担当大臣に質問しました。
2004年12月1日の財務金融委員会で、佐々木議員は西武グループの有価証券虚偽記載事件をとりあげ、「親会社であるコクドが非上場企業であるため、経営内容が不透明となっている。上場企業と同じ水準まで開示させるべきだ」と、伊藤金融担当大臣に迫りました。
これにたいして、伊藤大臣は、金融審議会での「専門家の議論を踏まえて対応したい」と答えていました。
この日の閣議で、「証券取引法」改正案が決定されました。
これにより、上場会社の議決権の過半数を直接又は間接に保有する会社(親会社)の情報公開を義務づけることとされています。
開示させる内容は、(1)株式の所有者別状況および大株主の状況、(2)役員の状況、(3)商法に基づく貸借対照表、損益計算書、営業報告書、付属明細書等。
しかし、この改正案によって、西武グループのような有価証券虚偽記載が発生しない保障、防ぐ手だてが盛り込まれているとはいえません。
佐々木議員は、その報告内容が正しいかどうかについて、「きちんとチェックできる権限が付与されなければ、虚偽記載を阻止できないのではないか」と指摘。
さらに、「昨年の金融庁における検討段階では、違反した場合、課徴金を課す案があったのに、なぜ抜け落ちたのか」と質問。
伊藤金融担当大臣は、他省庁との協議のなかで合意できなかったことを認め、「課徴金については断念したわけではない。検討したい」と答えました。
日本のチェック機関である証券取引等監視委員会の権限は、基本的に告発や行政処分などの勧告に止まるのに対して、アメリカのSECは、民事制裁金を課したり、不当利益の返還、違反行為の差し止め命令、排除命令をおこなったり、民事訴訟から刑事協力まで幅広い権限を与えられています。
また、日本の監視委員会は「相場操縦、インサイダー取引などの犯則事件」についてのみ、「捜査、差押え等の強制捜査権」が認められています。しかし、それははっきりと「犯則事件」と断定できる場合だけです。
日本の証券取引等監視委員会の人員は、440人。アメリカの証券取引委員会(SEC)の人員は、3592人で、権限も陣容も、雲泥の差があります。
佐々木議員は、「今回のような事件を引き起こさないようにするためには、証券取引等監視委員会の機能を強化が重要である」と指摘しました。