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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワードその他

【政治経済キーワード】温泉学会

2004年9月17日


 ほんものの温泉とはどんな温泉か。どうすれば信頼できる温泉に出会えるのか。9月4日〜5日にかけて草津温泉で開かれた温泉学会では、そんな議論が真剣に交わされました。温泉学会(会長:保田芳昭関西大学教授)は昨年9月設立された新しい学会で、今回は第3回目にあたります。

 白骨温泉で、入浴剤を添加して乳白色の温泉に見せかけていた事件は世間を驚かせましたが、それ以降も水道水を加熱して「温泉」と表示するなど、温泉をめぐる不正が相次いで明るみに出されています。温泉を愛好する利用者は一体何を信じたらいいのでしょう。

 温泉法では、(1)湧出口で25度C以上か、(2)定められた物質をひとつでも規定量以上有しているか、どちらかの条件を満たしていれば温泉と認められます。しかもこれらの条件は源泉で満たしていればいいので、実際に私たちが入浴する湯船の泉質はどうなっているのかわかりません。脱衣場など見やすいところに、温泉の成分などを掲示しなければならないことになっていますが、これも源泉の成分に基づいて表示されています。そのために浴槽に給湯される段階までに、加熱・加水されたり、また添加物が添加されても、利用者にはわかりません。

 また近年かなり多くの温泉で循環利用方式がとられています。これは浴槽内の湯やあふれた湯を、ろ過して消毒し、再び浴槽に流し込む方式です。循環方式の温泉で近年レジオネラ菌感染事故がおきたことから、消毒の過程では塩素が多量に使用されています。循環方式で源泉を繰り返し利用しているのなら、その情報は利用者には開示されるべきでしょう。

 一方、源泉を100%使用し、湯船から常時あふれさせている温泉、これは「源泉掛け流し方式」と呼ばれていますが、こうしたほんもの主義を貫いている温泉もあります。

 温泉学会ではこれらの議論をふまえて、温泉の利用者(消費者)が実際に入る湯船のお湯の成分、源泉掛け流し方式か循環方式か、加熱と加水の程度、お湯の完全交換と清掃の程度などの情報を開示することを求めるとともに、こうした立場から政府に対して温泉法の改正を求める決議を採択しました。

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