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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワード医療・介護・年金・障害者

【政治経済キーワード】年金改悪

2003年11月21日


 小泉内閣は、総選挙が終わるや否や年金大改悪の具体化に着手し始めました。17日に発表された厚生労働省案は、保険料を来年から毎年引き上げ、最終的には年収の20%(労使折半、2022年度)で固定するというものです。現行の1.5倍にはね上がります(現行は、年収の13.58%=労使折半)。

 一方、給付は労働者の手取り賃金の59.4%を保障するいまのやり方を変更して、10年間かけて54.7%へと引き下げるものです。給付水準は8%の削減となり、夫婦で月額23万6000円のモデル厚生年金の場合、年間22万6000円もの減額に相当します。ほぼ1ヵ月分の給付が削られる大改悪です。

 「保険料20%」の厚労省案に対して、財界はさっそく「16%程度にとどめるのが望ましい」(日本経団連・奥田会長ら)と異論を唱えています。20%の保険料になると企業負担が約10兆円増加し、過去15年間に減税された法人税7.5兆円の「効果」が台無しになってしまうからです。給付については、「持続可能な制度にするためには、すでに年金を受給している人を含めて抑制せざるを得ない」と大幅な削減を強調しています。今年9月に発表された財務省案でも、給付への大胆な切り込みを宣言しています。

 先の総選挙で、自民・公明の各党は「年金は安心」「給付は維持」などと大宣伝をしてきました。しかし今回の厚労省案も、国民にさらなる年金不信と将来不安をあおるもの以外のなにものでもありません。94年と2000年に支給開始年齢を65歳に引き上げ、それが段階的に実施されている途上にさらなる給付削減を行おうというものだからです。

 厚労省案では、基礎年金への国庫負担を現行の3分の1から2分の1に引き上げる問題は先送りしたままです。94年の年金改定時に、自民党も賛成して基礎年金の国庫負担の割合を「2分の1を目途に引き上げることを検討する」という附帯決議を衆参の厚生委員会で決議。99年の改定時にも、国民年金法の附則第2条に「基礎年金については‥‥当面平成16年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の2分の1への引き上げをはかるものとする」と明記しています。これは来年度までに果たさなければならない国民への約束であり、法律で決めたことです。このように政府としてやるべきことをやらないで保険料の引き上げと給付の削減を提案するばかりでは、国民の信頼が得られないのは当然のことです。

 日本共産党は、ムダな公共事業費の削減などで財源をつくり、ただちに国庫負担を2分の1に引き上げるように提案しています。そして、いまの基礎年金を発展させて、すべての国民に保険料なしで一定の年金を支給する「最低保障年金制度」をつくること、そのうえに、国民が支払う保険料に応じて年金額が上積みされる2階建ての年金制度を確立することを提案しています。

 その財源は、消費税に頼らず、大企業や高額所得者に応分の負担を求める、税制と社会保障制度の抜本的な改革を通じて確保することを明らかにしています。消費税増税に頼る自民党や民主党、所得税の定率減税を廃止するなど庶民増税をたくらむ公明党などと根本的に異なるところです。

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