国会での活動
【政治経済キーワード】請願権
2003年8月22日
国や地方の議会、行政機関などに対し、法律・条例の制定・改正・廃止、公務員の罷免、行政制度の改善などについて、文書で要望を提出する権利を、「請願権」といいます。請願権は、すべての人に対して憲法第16条が保障している権利です。国籍や年齢による制限はなく、1人でもできます。請願書の提出を受けた官公庁は、これを受理し誠実に処理するよう、請願法で義務付けられています。
国会に対する請願には、国会議員の紹介が必要です。請願書の受付期間は、国会開会中(召集日から、おおむね会期終了日の7日前まで)です。提出された請願書は、請願の内容に応じて所管の常任委員会・特別委員会に付託されます。委員会では、個々の請願について、本会議で採択すべきものかどうか、内閣に送付すべきかどうかを審査します。
本会議では、会議に付された請願について、採択するかどうかを採決します。採択された請願のうち、内閣で措置することが適当とされたものは、内閣総理大臣に送付されます。内閣からは、処理経過が、毎年2回、国会に報告されます。
7月28日に閉会した第156回通常国会では、衆参両院合わせて537種類、2836万8000人分の請願署名が提出されました。このうち日本共産党の議員が紹介したものは1365万4000人分で、全体の48.1%を占めています。提出された請願のうち、採択されて内閣に送付されたのは、「輸入食品の残留農薬等の検査強化、検査員の大幅増員に関する請願」、「腎疾患総合対策の早期確立に関する請願」など22種類で、4.1%にすぎません。自民党、公明党などが態度を保留したため、審査未了となったのが大部分です。