国会での活動
【政治経済キーワード】サービス残業
2003年7月25日
サービス残業とは、法定労働時間(週40時間)を超えて働いた場合や、法定休日に働いた場合に、その時間に応じた割増賃金を支払わずに、無償で労働させるものです。労働基準法は、労使協定(36協定)による場合などを除いて、サービス残業を禁止しています。違反すれば、最高6ヶ月以下の懲役、30万円以下の罰金刑が科されます。
サービス残業は、本来あってはならない違法行為ですが、職場では当たり前のように横行しています。サービス残業の根絶へ向けた職場からの告発や、国会での追及を受けて、厚生労働省も一昨年、サービス残業解消のための「通達」を発出しています。労働基準監督署がトヨタ自動車、日立製作所、三菱電機などの大企業に立ち入り調査し、改善を指導するなど、重要な変化も生まれています。しかし、企業のリストラ・人減らしが進むもとで、全体としてサービス残業は増加する傾向にあります。また、多くの職場では、労基署の摘発後、わずかな手直しだけで再びサービス残業野放しに逆戻りしています。
サービス残業を根絶するには、悪質な場合には企業名を公表する、割増賃金のほか制裁金も課すことで、企業にとってサービス残業がかえって高くつく仕組みを法定化するなど、実効ある対策が必要です。