国会での活動
【政治経済キーワード】映画振興に関する懇談会
2003年7月18日
日本映画への支援策を検討してきた文化庁の「映画振興に関する懇談会」が、今年4月、「これからの日本映画の振興について〜日本映画の再生のために」と題する提言を発表しました。
「提言」は、文化遺産としての映画フィルムの保存、人材養成システムの構築など、国の映画振興策として、4つの柱と12の施策を打ち出しています。ここでは、映画製作に対する公的融資、撮影所への不動産課税の減免、映画従事者の社会保障、著作権保護についてもふれています。これらは、長年にわたる映画人の願いの反映として歓迎されるものです。しかし、日本映画をめぐる現状に照らして、今回の「提言」で十分とはいえません。
映画館での邦画・洋画別の年間上映本数の割合は、2001年に初めて邦画が洋画を下回り、興行収入では昨年、史上初めて日本映画が3割を切りました。つくり手にとっても、撮影所の閉鎖、縮小があいつぎ、日本映画の産業的衰退は深刻さを増しています。
諸外国では、自国文化としての映画を支援するため、撮影所や映画大学を国の支援で建設、シネマコンプレックス(複合型映画館)の増大に圧迫される地方の映画館への支援や配給への援助、自国映画の配給・上映を守るスクリーン・クオータ(割り当て)制度の実施などの努力がはかられています。
今回の「提言」を具体化しつつ、日本映画再生のための支援策を抜本的に強化することが、国に求められています。