国会での活動
【政治経済キーワード】有事3法成立
2003年6月13日
6月6日、広範な国民の「戦争をする国にするな」という声を押し切って、自民党、公明党、保守新党の与党3党と、民主党、自由党の賛成によって、有事関連3法の成立が強行されました。
有事3法は、米軍が引き起こす海外での先制攻撃の戦争に、自衛隊を参加させ、罰則つきで国民を強制動員できる法律です。
これまでの周辺事態法では、海外で米軍を支援する自衛隊は戦闘地域の中での支援活動はできませんでした。ところが、この有事法制では米軍支援を行っている最中に戦闘が始まってしまっても、「武力攻撃予測事態」と認定すれば、その場に踏みとどまって米軍を支援することができます。さらに、その自衛隊が武力攻撃を受ければ反撃もありえるというものです。
また、この法律は、日本を丸ごと米軍の戦争のための補給などの基地に変え、地方自治体や交通・通信を米軍支援に駆り立てるものです。周辺事態法では強制できないことを国民に強制することができます。例えば、自衛隊が必要だという土地や家屋などの物資を国民から取り上げることができ、拒否すれば罰金を科されます。地方自治体や民間機関には、協力を拒否した場合、首相が米軍支援を「指示」し、強制することができるのです。
この有事法制は、憲法の平和主義・基本的人権の尊重・国民主権の3原則を踏みにじり、世界各地での国連憲章の平和のルールを守れという大きな流れに逆行するものです。
有事3法は強行に成立されましたが、この法律を発動させないたたかいはこれからです。国会審議の中でひたすら隠し続けてきた「自衛隊が米軍の戦争にどのように参戦するか」、「その戦争にどのように国民を強制動員するのか」といったことは、これからつくられる「米軍支援法制」や「国民保護法制」によって具体化されます。発動を許さない上でも、有事法制を具体化するこれらの法律の制定を阻止するたたかいが重要になってきます。