国会での活動
【03.03.03】自民党「提言」では献金規制にならない ゼネコン30社の献金実績で試算
2003年度予算の締め括り総括質疑が行われた3月3日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、大島農林水産大臣の疑惑と公共事業受注企業の政治献金規制の問題について質問しました。
佐々木議員は、自民党が検討している公共事業受注業者からの献金規制案が、逆に増額を「奨励」するものだと追及しました。
自民党の「政治資金に関する有識者懇談会」が昨年7月にまとめた提言は、公共事業受注企業からの献金について「売り上げに占める公共事業の受注が50%を超える場合は、現行法の寄付限度額を50%削減する」ことを打ち出しました。現行の政治資金規正法は、政党・政治資金団体に対する寄附の上限を、資本金の大きさに応じて23段階に分けて定めています。
佐々木議員は、2001年に自民党・国民政治協会へ献金している売上高上位ゼネコン30社の政治献金実績にもとづき、自民党「提言」の効果を試算し、資料として提出しました。
佐々木議員の試算によると、公共事業受注が50%を超える企業は30社中7社しかなく、その7社も、献金の上限を50%引き下げても献金実績より高いラインであるため、1社も「提言」が示した規制に引っかかりません。
それどころか、献金を増やすことさえできます。例えば、五洋建設の場合、2001年に1985万円の献金をしていますが、自民党「提言」の基準を設けても、あと765万円も増やすことができます。住友建設は1189万円、東洋建設は1108万5000円の増額が可能です。
佐々木議員は、「何の規制にもならない。野党4党は公共企業受注企業からの献金の全面禁止を求めているが、実効ある規制をおこなうべきだ」と総理の対応を求めました。小泉総理は「総合的に検討している最中」などと答えるだけにとどまりました。
佐々木議員は、「公共事業受注企業からの献金を受け取ることは、税金の横流し、私物化だ。それが政治をゆがめ、政官業の癒着の温床になる。そこをきっぱりと改めるべきだ」と強調しました。
また佐々木議員は、小泉首相が2003年度予算で公共事業費を減らしたと述べていることについて、今年1月に組まれた補正予算も合わせて考えれば、公共事業費は、「15ヶ月予算」と位置付けられた今年度の当初予算と昨年1月の補正予算の公共事業費の合計額を上回っていることを資料で示し、「公共事業が減らない理由は、ゼネコンから献金が裏にあるからではないかと国民は思っている」と指摘しました。