国会での活動
国会での活動 − 政治経済キーワード、金融(銀行・保険・証券)
【政治経済キーワード】金融再生プログラム
2002年11月22日
10月30日、金融庁が「金融再生プログラム」を発表しました。同時に発表された「総合デフレ対策」と一体となった、不良債権処理の加速策です。
「プログラム」は、2004年度には主要行の不良債権比率を現状の半分程度にすること政策目標にしています。
そのために、不良債権処理基準や自己資本の算定方法に米国式のやり方を導入し、銀行の資産を厳しく評価して、不良債権処理を促すとともに、資本不足で体力の弱った銀行に公的資金を投入することをねらっています。不良債権処理とは、倒産を増やすことです。そのために、税金を使うというのです。
公的資金投入策として、「プログラム」は、2つの手法を示しています。ひとつは、「経営難」や「資本不足」、または「それに類似した状況に陥った」金融機関を「特別支援金融機関」だとして、公的資金を投入するものです。政府は、現行の預金保険法をつかってこれを行おうとしています。「特別支援金融機関」は、健全債権と不良債権を切り分け、不良債権を大規模に整理回収機構(RCC)や新設される産業再生機構に売り払います。
もうひとつは、「新しい公的資金制度」の創設です。「不良債権問題を終結させるため」に公的資金を投入する仕組みを検討することを「プログラム」は明記しています。これまで政府は、銀行への公的資金投入を、金融システム不安をおこさないためのものだと説明してきました。不良債権処理のための公的資金投入は、金融不安とは関係のない、平時の公的資金投入策であり、これまでの枠を大きく踏み越えるものです。
不良債権処理の加速化は、倒産や失業を増加させ、国民生活を追いつめ、景気をいっそう冷え込ませるものです。そのような政策をこの最悪の不況期に強行し、しかも国民の税金で進めようというのが、「金融再生プログラム」なのです。