国会での活動
【政治経済キーワード】芝信金「女性差別裁判」
2002年11月8日
芝信用金庫(東京都)で働く女性13人が男女の昇格差別の是正と差額賃金の支払を求めてたたかってきた裁判が、10月24日、提訴から15年を経て最高裁で和解しました。課長職への昇格を認めた、労働者の勝利による全面解決です。
今回の裁判では、1審の東京地裁判決が女性差別事件として初めて昇格を認め、2審の高裁判決では、労働基準法を根拠に昇格差別による賃金差別を違法と認めました。最高裁での和解は、こうした判断を不動のものとし、雇用の女性差別撤廃を求める歴史に新たな1ページを加えるものです。
ILO(国際労働機関)の調査では、日本の「管理職」に占める女性の割合は、9%にすぎず、17カ国中下から2番目です。国際的にも際だった昇格・昇進差別のもとで、わが国の女性の平均賃金は、パートを除いても男性の6割強に過ぎません。
国連の人権規約委員会は、日本政府に対し、男女の事実上の賃金差別問題への取り組みを強く要求しています。政府は、今回の裁判の到達点を踏まえ、女性の賃金差別の是正に全力で取り組むべきです。