国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【02.06.28】整理回収機構による不良債権買取価格の再引き上げ問題、バブル期の銀行融資・返済能力を度外視した審査で貸付 佐々木議員が批判
整理回収機構による不良債権買取価格の再引き上げ問題
2002年6月28日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、与党内や銀行関係者から、整理回収機構による不良債権の買取価格の再引き上げの動きが出ている問題をとりあげ、銀行負担を軽減するために国民負担を拡大するものだと批判しました。
整理回収機構は、本来、破たん金融機関や住専の不良債権を買い取って回収する機関ですが、政府の不良債権処理対策の中で機能が拡大され、現在、健全金融機関の不良債権を買い取る仕事もしています。
前年秋の臨時国会で金融再生法が改正され、健全金融機関から不良債権を買い取る際の価格が、従来より高い「時価」に引き上げられました。買取価格の引き上げは、RCCの損失の拡大につながり、国民負担を増大させるものとなります。
佐々木議員は、「重要なのは、買取価格の引き上げが実施されたこの半年のうちに、すでに再引き上げの声が出ていることだ」と提起し、大手行の幹部や与党内の動きを紹介しました。
その上で佐々木議員は、このような動きのなか、塩川財務大臣が、5月14日の記者会見で、「RCCがもう少し勉強して買ってくれるようにしたらええな」「RCCは2次ロスを絶対かぶってはいかんと、国民に迷惑かけたらいかんという、この高貴な精神ですね。それに対して政府はどのようにRCCとの間に関係を持つかということだ」「そこがちょっとはっきりしていないから、RCCもやりにくいだろう」「そこはやっぱり、ずばりと本音で話するのがいいんじゃないか」と述べていることを示し、「あなたの言う本音とは、政府が公的資金を用意するから、安心して高値買い取りをせよ、ということか」と塩川大臣の認識をただしました。
塩川大臣が明確な答弁をしなかったため、佐々木議員は、「銀行負担を軽減してやるために、国民負担で後押しすることは認められない。そのことを強調しておく」と述べました。
バブル期の銀行融資・返済能力を度外視した審査で貸付 「あってはならないこと」と金融担当大臣
バブル期の不正常な融資にもとづく債務者への競売があいつぐなか、佐々木議員は、銀行の融資や回収のあり方について柳澤金融担当相の認識をただしました。
佐々木議員は、「バブル時代には融資の仕方に問題があり、それが不良債権となって銀行経営を脅かした」と指摘。投機ではなく必要なところに資金がまわるようにすると同時に、返済能力のないところに過剰な融資をすることのないようきちんと審査することが大事だとして、柳澤金融担当大臣の見解を求めました。
柳澤大臣は、「同じような見解をもっている」と述べたうえで、バブル期のような担保さえあれば不十分な審査で融資することは「あってはならないこと」だと答えました。
佐々木議員は、バブル時代の個人に対する不正常な融資として、返済能力を度外視して所得の何十倍もの融資がおこなわれたことや、銀行が不動産会社と示し合わせて本人に一度も会わずに億単位の融資をした例を紹介し、「返済できないからと競売で財産を取り上げる事例が多数寄せられている」と強調しました。
その上で佐々木議員は、競売で生活を奪うのではなく話し合いによる解決を優先するなど、融資した銀行の責任を念頭においてこの問題に対応するよう金融庁に求めました。