国会での活動
国会での活動 − 政治経済キーワード、その他、金権・腐敗政治
【政治経済キーワード】逮捕許諾請求
2002年6月21日
議員活動に対する国家権力による不当な干渉を防ぐため、国会議員の身分は憲法50条で保障されており、国会の会期中に逮捕されることはありません。これを国会議員の不逮捕特権といいます。
しかし、国会法33条によって、所属する議院の許諾があった場合など場合は、例外的に会期中でも逮捕が認められます。その際、内閣が国会に対し、国会議員を逮捕する許可を求めることを逮捕許諾請求といいます。
検察庁が会期中の国会議員の逮捕方針を決めた場合、次のような手続きで逮捕許諾請求が行われます。
- 検事総長が法相に逮捕許諾の了承を求める
- 法相がこれを認める
- 検察官が所轄裁判所に逮捕状を請求
- 裁判官が「逮捕状発付が相当」と判断すれば内閣に逮捕許諾要求書が提出される
- 内閣は閣議決定後、議員の所属議院の議長に許諾請求する
- 議長が議院運営委員会に審議を付託
- 議運委員会は逮捕許諾を審議し、採決結果を本会議に報告
- 本会議が出席議員の半数以上の賛成多数で議決すると逮捕の許諾が決定
この後は、内閣を経て裁判所に通知書が提出され、裁判所が逮捕状を発付し、検察官が逮捕状を執行することになります。
6月17日、林野庁の行政処分をめぐる鈴木宗男衆院議員のあっせん収賄疑惑で、東京地検特捜部が東京地裁に鈴木宗男議員の逮捕状を請求し、同地裁の要求を受けた内閣は、衆院に逮捕許諾を請求しました。逮捕許諾請求は、19日の衆院本会議で可決され、同日、鈴木宗男議員は東京地検に逮捕されました。
逮捕許諾請求は、1998年の日興証券利益供与事件に関与した新井将敬衆院議員以来のことで、戦後19件目となります。