国会での活動
国会での活動 − 政治経済キーワード、金融(銀行・保険・証券)
【政治経済キーワード】銀行保有株式取得機構
2001年10月26日
日本の大手銀行は、世界に例を見ないほど大量の株を持っています。株価の下落は大手銀行の財務を悪化させ、銀行経営を不安定にします。そこで政府は、これまでの野放し政策をあらため、新しく銀行の株式保有に上限を設ける規制を導入することにしました。
国民の預金を受け入れ、決済機能をもつ銀行の経営の健全性が株価によって左右されることがないよう、銀行の株式保有を規制することは当然のことです。その際政府がやるべきことは、銀行に対し、自己責任でこの規制をクリアするよう求めていくことです。
ところが政府は、規制の達成を大手銀行の自助努力ですすめさせるのではなく、規制の達成を手助けすることを口実に、新たな公的資金による大銀行支援策を用意しました。それが銀行等保有株式取得機構の創設です。
株式取得機構は、新基準をクリアするために銀行が手放す株の一部を買い取り、株式市場の動向を見ながら売却します。株が下がって機構に損失が生じれば、一定の銀行負担分を超えた損失は、すべて税金で穴埋めする仕組みになっています。
政府は、住専処理への税金投入以来、公的資金70兆円による銀行支援策にいたるまで、公的資金による至れり尽くせりの大銀行支援を拡大してきました。今回の株式取得機構の創設は、そのうえに、またもや新たな税金投入策を上乗せしようというものです。
国民に負担をおしつけ、大銀行にはつぎつぎと手厚い支援策を拡大するような政策ではなく、大銀行に自己責任の原則を貫かせる政治へと転換することが必要です。