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奮戦記

【15.02.02】「テロリストたちを絶対に許さない」という姿勢は当然としても、手法はこれでいいのかが問われる

 今回の「イスラム国」の残虐非道、身の毛がよだつ蛮行に、心からの憤りを覚えます。いかなる口実をもってしても、このようなことは絶対に許されるものではありません。
 なぜ、このようなことが起こったのか、政府はどう対応したのか、どうすべきだったのか。今後、どのような対応が必要か。私たちは、きちんと検証しなければなりません。

 振り返ると、安倍内閣は、湯川遥菜さんが去年の8月にシリア北部で「過激派組織」に拘束されると、ただちにヨルダンに現地対策本部を設置しました。さらに、後藤健二さんが、去年11月にシリアで行方がわからなくなっていることを把握すると、後藤さんの事案を対策本部に加えていました。しかし、何をしていたのか、どのような対応をしていたのか、詳細を明らかにしていません。

 湯川さん拘束から5ヵ月、後藤さんが行方不明になって2ヵ月もありました。もちろん、事態の進行中に相手との関係でそれが出来ないことは当然あるでしょう。しかし政府機構には、野党にはない情報収集と分析力が備わっているはずですが、それがどのように機能していたのか、また政府の外交上の対応はどうだったのか。国民的な検証に付すべきです。

 過激武装組織「イスラム国」に対処するためには、昨日、日本共産党が「談話」で明らかにしたように、国際社会が結束して「外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断つなど、孤立させ、追いつめ、武装解除と解体に追い込んでいくこと」(国連安保理決議2170=2014年8月)、この原則に立った対応が求められます。日本政府の外交が、はたしてこうした方向に資するものとなっているのかどうかです。

 安倍総理は、1月17日、カイロで「『イスラム国』がもたらす脅威を食い止める2億ドル支援」と演説しました。2人が拘束されていることを知っていながら、なぜ、わざわざ挑発的な言い回しをしたのか。衆院予算委員会では、今回の拘束事件を例に挙げ「能力のある自衛隊が何も出来ないということでいいのか」とまで述べました。
 「テロリストたちを絶対に許さない」という姿勢は当然としても、手法はこれでいいのか、根本的に問われます。

 重大なのは、安倍総理が今回の事件に関して米軍などによる「イスラム国」への空爆に対する自衛隊の支援が「憲法上は可能」とのべたり、「邦人救出」を口実にした自衛隊の海外派兵のいっそうの拡大を検討していることです。
 過激武装集団による今回の蛮行を利用して、「海外で戦争する国」づくりを強引に推進しようとする動きは、とうてい認められるものではありません。

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