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奮戦記

【15.02.02】年金基金をつかって株価つり上げ、その「バクチを打つ人」の給与だけ大幅に引き上げる。こんな「アベノミクス」は国民に害悪しか生み出さない!

 今日(2月2日)の「日経新聞」コラム「風速計」に、驚くべきことが書いてありました。130兆円にのぼる貴重な国民の財産である年金基金を管理している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のトップの給与についてです。

 この1月、GPIFは、理事長、理事と運用担当者の「賃上げ」に踏み切ったというのです。――これまでの理事長の年収は、約1900万円でした。それを3100万円に引き上げることにしたのです。また、新設の最高投資責任者(CIO)の年収を3000万円にするとしています。さらに、新たに設けた運用専門職の月給は最高で145万円。成績が好調なら成績給が上積みされ「理事長の年収を上回る可能性もある」というのです。――じつに6割以上の大幅アップです!

 厚労省は、いままでGPIFの理事長は「公務員待遇」だったが、日銀総裁の年収(3500万円)を超えない程度に引き上げたと説明(厚労省)しているそうです。しかしその原資は、国民が汗水流して貯めた年金基金ではありませんか。何という“お手盛り賃上げ”でしょうか。


 安倍総理は、年金基金の「運用対象の多様化」について説いています。「多様化」とは株式にシフトしていくということです。昨年6月の「新成長戦略」には、「GPIFの基本ポートフォリオについては、…適切な見直しをできるだけ速やかに実施する」と書き、株式の比重を引き上げました。

 しかも、そのために運用委員会のメンバーを昨年4月に総入れ替えしたのです。新たに委員になった6人のうち3人はGPIFの運用見直しを提言した有識者メンバーで、他の3人は投資会社等金融機関の勤務経験者だったのです。

 年金基金という貴重な国民の財産で「バクチを打つ」ように仕向け、そのバクチを打つ人の「給与」だけは大幅に引き上げる。こんな「アベノミクス」は、国民に害悪しか生み出しません。――ほんらいの安全・確実な管理・運用に立ち戻るべきです。

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