奮戦記
【15.01.31】消費税を8%に増税したのは、社会保障のためではなく、大企業への大盤振る舞いと軍拡のためだった
安倍総理は、消費税を2017年4月に10%に引き上げると断言しました。理由は「消費税増税は社会保障のため」だというのです。しかし政府の言い分は、まったくデタラメです。
第1、消費税を増税したうえ社会保障を削り続けているからです。
来年度予算案を見ても、消費税増収額(消費税3%にあたる部分)は、国・地方で合計8兆2000億円になりますが、そのうち家計に還元される社会保障「充実」部分は1兆3500億円、わずか16%にすぎません。残りは、他の財源に消えてしまうのです。
しかも「充実」の中身も看板倒れ。社会保障の「自然増」を1700億円も削減し、介護報酬を2.27%引き下げ、年金を連続して削減し(初の「マクロ経済スライド」発動と過去の物価下落分の削減で合計実質1.4%削減)、新たに70歳になる高齢者医療費の窓口負担を倍加し、生活保護の生活・住宅扶助、冬期加算を削減する等々…。うんざりするほどの国民負担増・給付減が続いています。
第2、増えているのは、大企業への大盤振る舞いと軍事費です。
法人実効税率を来年度2.51%引き下げるため、莫大な内部留保を抱えている巨大な黒字企業に恩恵が集中します。7割が赤字となっている中小企業には回りません。
公共事業費も3年連続して増加、三大都市圏環状道路、国際コンテナ戦略港湾も増額です。さらに、軍事費も3年連続して増やされ4.98兆円になりました。戦争する国づくりを目指す政府の危険な動きを反映しています。重大なのは、民意を踏みにじる沖縄米軍新基地建設工事費を、前年度比で実に80倍以上に増やしていることです。
消費税を8%に増税したのは、いったい誰のため、何のためだったのか、もはや明らかではないでしょうか。庶民のため、社会保障のためではなく、大企業への大盤振る舞いと軍拡のためだったのです。