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奮戦記

【15.01.23】経団連の榊原ビジョンの「政治と経済の連携」とは何か?

 日本経団連は1月1日に、長期ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」(通称・榊原ビジョン)を発表しました。15年後の2030年までに目指すべき「国の在り方」を描いています。驚いたのは、いまの局面を「非常時」と認定し、そのうえで「政治と経済の連携」すなわち日本経団連と政権与党との「意思疎通を密にする」と宣言していることです。

 そこには、財界・大企業がさらに利益を上げるため、政府を道具のように利用する意図が露骨に現れています。
 政府や企業が取り組むべき個別の政策課題を28項目盛り込んでいますが、その内容は「イノベーション政策の推進」「インフラの海外展開」「法人税の実効税率の引き下げ」「各国との経済連携協定の締結」など、大企業への徹底的な奉仕政策が中心です。その実現のために、トップダウン型の行政機構改革などを提唱しています。

 榊原ビジョンには、財界のためのバラ色の「夢」や「願望」は盛り込まれているものの、庶民生活向上へのプランはまったくありません。そればかりか、庶民の暮らしへの総攻撃を提唱しています。

 消費税は「将来的には10%後半まで引き上げていく必要がある」とし、10%では足りないからさらに引き上げるとしています。さらに、社会保障制度改革は給付の「重点化・効率化」の名で「痛みを伴う抜本的な給付の適正化」をはかるとしています。
 「消費税は社会保障のため」というのは、口先だけの「国民騙し」だったことを、はからずも自白した格好です。

 しかも、労働法制をいっそう改悪していくことを提案しています。残業代ゼロの「労働時間法制の見直し」、解雇しやすい低賃金の「多様な正社員の普及」などです。

 このようなビジョンを実行すれば、いっそう消費低迷を招いて日本経済全体が落ち込むことになるのは明らかではないでしょうか。

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