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奮戦記

【15.01.17】「消費税の負担率は所得が低いほど重くなる」と政府の「日本経済2014−2015」(ミニ経済白書)も指摘

 内閣府が1月13日に発表した「日本経済2014−2015」(ミニ経済白書)には、昨年4月の消費税増税で国民生活と日本経済に深刻な打撃をもたらしたことを示すデータが盛り込まれています。

 第1章には「経済の好循環と消費税率引上げの影響」というタイトルが掲げられており、そのなかで「消費税率引上げによる物価の上昇は実質的な所得の減少をもたらし、将来にわたって個人消費を抑制する効果を持つ」と書かれています。

 これは、消費税増税で「国民の所得が恒常的に奪われた」ということです。「反動減は一時的なものでもとに戻る」という宣伝が、いかにデタラメかを示すものです。実質的な所得の減少は、簡単にはもとに戻りません。


 さらに、「実質所得の減少を通じて、2014 年4−6月期から7−9月期にかけて個人消費を合計で1兆円弱程度(実質GDPの0.2%程度)押し下げていると試算される」としたことも新しい指摘です。

 GDPを2四半期連続して押し下げた要因として、消費税増税による国民の所得減少とそれにともなう消費減少をあげていることは重要です。しかも、今回の消費税増税は、前回(1997年)よりも影響がより深刻だと指摘しています。

 次に注目されるのは、低所得者ほど深刻な影響があらわれていると指摘していることです。「相対的に収入が少ない」階層では、「収入の低下以上に支出が落ち込んでおり、消費税率引上げ後に消費支出が抑制されている」と。

 また、その「背景として、非正規比率の高い低所得層において、将来への不安などから支出が抑制されている」「消費税の負担率は、所得が低いほど重くなる傾向があるため、消費税率引上げが特に低所得層のマインドに影響を与え、結果、そうした層での消費の抑制傾向を高めている」としています。

 政府の「白書」でさえ、このように指摘している以上、消費税10%への増税などもってのほかです。政府は「先送りして実行」という方針を撤回し、消費税増税そのものを断念すべきです。
 

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