奮戦記
【14.09.02】中部電力浜岡原子力発電所を視察
今日は、中部電力浜岡原子力発電所の視察しました。
「世界一危険」と言われた浜岡原発を政府が停止してから3年経ちました。しかし、中部電力は、新規性基準に対応した措置をとったとして原子力規制委員会に4号機の安全審査を申請しました。現実には、南海トラフ巨大地震の震源域内にあり運転を停止したときと危険性は何も変わりません。
井上哲士参議院議員、静岡県内の議員・候補者のみなさん、愛知県豊橋市の県議候補のしもおく奈歩さんとご一緒に視察しました。事前の説明には、静岡原発センターの岡村哲志さんがあたりました。
「再稼動にむけた対策」として、防潮堤、フィルターベント設備、ガスタービン発電機建屋、使用済み燃料乾式貯蔵施設などの建設現場を視察しました。防護服に着替え、4号機の建屋に入り、原子炉や使用済み燃料プールなども視察しました。
中部電力の説明では、防波壁について「高さを18メートルから22メートルに引き上げた」「固い岩盤の上に設置しているから大丈夫」と言いました。
私は「東日本大震災では海底の岩盤が7メールも隆起する地殻変動が起きた。震源域の真上にあるのだから、ここで地殻変動が起きたらどうなるのか」と聞きました。中電は「そういうことは想定していない。あっても、なだらかな段差が起こる程度と考えているが、これからの検討課題だ」と答えたのです。地殻変動についてまともに検討もしていないとは! 驚くばかりです。
東電は、福島第一原発の事故を「想定外の津波による冷却機能の喪失」という認識であり、地震による原発施設の破壊については、まだ解明できていないのが現実です。そのため、各電力会社は津波対策だけを先行させ、それ以外の地震などの対策にはほとんど対応できていないのです。むしろ大規模な地震対策など不可能なのです。そうなると再稼動できないので、面倒な対策は、はじめから外しているというのが現状ではないでしょうか。
浜岡原発の使用済み核燃料ついては、現在、六ヶ所村への搬入は認められていません。私は「仮にフル稼働した場合、貯蔵施設は何年で満杯になるのか」と聞きました。しかし、言葉を濁してまともに答えませんでした。使用済み核燃料を貯蔵するキャパシティもなく先の見通しもまったくないのに、4号機の再稼働を狙うなど言語道断です。
原発事故が起きたときの避難計画については、中電ではなく自治体がつることになっていますが、まったくできていません。御前崎市の人口密集地域が原発のすぐ近くにあり、3万人もの人々が狭い道路をどのようにして短時間で移動できるというのでしょうか。とても不可能です。
今回の調査で、浜岡原発を再稼働させることがどんなに危険な事態を引き起こすか、あらためて再確認することになりました。