奮戦記
【14.08.27】岐阜県高山市の豪雨災害土砂崩れ現場を調査
井上哲参議院議員、大須賀しずか県会議員(岐阜1区候補)、若山加代子市議、牛丸ひろゆき市議予定候補とご一緒に、8月17日の集中豪雨で河川の氾濫や土砂崩れ被害のあった現場の調査に入りました。
高山市の江名子川が氾濫した古い街並みのある地域では、住民の方々から実情をお聞きしました。床上浸水の被害にあった本屋のご主人は、床の張り替え作業中でしたが河川の漏水対策の不備を訴えました。
土砂崩れの現場が市内のあちこちに見られました。
この場所では、大量の土砂が樹木とともに流れ落ち、下の民家が被害を受けました。たまたま夏休みで人がいなかったので人的被害がなかったそうです。
千鳥町の土砂崩れ現場では、牛舎が被害を受けました。
赤い屋根が牛舎です。そこのご主人の話では、自分は間一髪のところで逃げたが、飛騨牛8頭が埋まり、4頭が死んだそうです。死んだ4頭にはお腹に赤ちゃんがいました。「すごい量の土砂で、とても個人では処理できない」と話していました。
アパートの家主さんから土砂崩れの様子を聞きました。危険な箇所だから何とか補修するようにと、市に何度も訴えたが「大丈夫だ」といわれ、まともな対策がとられなかったと。
江名子町の土石流で全壊した家の前で、そこに住んでおられた方や近所の方からお話を聞きました。家が全壊した方は、年老いた親を含む8人家族です。「崩れる直前に避難して、家にだれもいなかったので助かった。背丈もの高さがあった土砂は、ボランティアや近所の方の協力でどけてもらった。ガレキを片付けるのも運ぶのも自己負担。全壊でもどこからも補助が出ない。なんとか行政で支援してもらえないか」と。
視察の前には、岐阜県土木事務所にも訪問し、被害と取り組みについて聞きました。
豪雨災害調査で実感したこと
今日の岐阜県高山市の豪雨災害調査で感じたのは、日本はどこで災害が起こってもおかしくない「災害列島」だということ。被災すると、苦労して築き上げてきた生活と財産が一瞬にして失われ、どんなに頑張っても個人の力では取り戻すことができません。
生活と生業を再建するためにこそ公的支援が求められるのに、国や自治体なかには「個人のために税金を使うのは基本的に認めない」という考え方が牢固として存在しているのです。高山市でも、私有地で土砂崩れが起き被害を受けたのは個人財産だから「基本的には民民で対応してほしい」という姿勢。阪神大震災以来、それを変えるために多くの方々の長期にわたる粘り強いたたかいがありました。が、前進は微々たるものです。
ところが政府は、大手企業の私的財産・内部留保を増やすため、法人税を減税し補助金をばらまき、湯水のように惜しみなく税金を使ってきたのです。総理みずから、日本経団連の役員企業代表を引き連れて世界に向けトップセールスを行ってきました。国民が汗水流して納めた税金を使って。
民間の私的な大手企業のために使うお金があるなら、なぜ、主権者である国民、被災した庶民のために使えないのでしょうか。政府は誰のためにあるのか、自治体の役割とはなにか。政治家は誰のために働くべきか。ーーいま、政治のありようが根本的に問われていると思います。