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奮戦記

【14.08.07】国会での採決(表決)について

 国会での採決は、「起立採決」が原則です。衆議院では、本会議場では「満場一致」(異議なし採決)以外で、圧倒的に多いのが起立採決です。
 ただし、重要法案で与野党が対決しているようなばあいは、議運理事会で確認のうえ「記名採決」がおこなわれます。衆議院規則によれば、出席議員の5分の1以上の要求があったばあいは、記名採決を行わなければなりません。

 記名採決は、各議員の机に備えられている木札をもっておこないます。「可」とする議員は白色の賛成票を、「否」とする議員は青色の反対票を持ち、職員(参事)が点呼をおこない名前を呼ばれた順に登壇して参事に渡します(国会ではこれを「堂々巡り」と言ってます)。衆院では、参事は白票の係と青票の係の2人いて、議員から受け取った木札をそれぞれ計量器のなかに積みあげていきます。

 記名投票をおこなう際、議長が「議場閉鎖」を宣言して議場を閉鎖します。これは、投票に一定時間がかかるため、議場への出入りを禁じなければ過半数算定のもとになる出席議員数が固定できないためです。(終わったときは「議場開鎖」を宣言します)。
 ただし内閣総理大臣の指名選挙の場合は過半数算定の基準は投票総数。そのため出席議員数を固定する必要がなく議場は閉鎖されません。投票は木札と違う投票用紙でおこないます。

 参議院にのみ導入されているのが、「押しボタン式投票」です。このばあい投票内容が、議員ごとに記録されます。ただし議長が必要と認めたばあい、あるいは出席議員の5分の1以上の要求があったばあいは、記名投票が行われます。

 このように、日本の国会における採決方法には、満場一致による方法、起立による方法、記名投票による方法、押しボタンによる方法(参議院のみ)があるのです。  

 ところで、提案された案件に対して賛否いずれの態度もとりたくないばあいはどうすればよいでしょう。はじめから欠席するか、出席して棄権するか、どちらかしかありません。
 本会議の起立採決の場合は、棄権する方法として途中で退席することがあります。記名採決のときは、名前を呼ばれても木札を持って投票せず、自席に座ったままでいるという方法があります。

 例をあげると、2010年2月18日の予算委員長解任決議案に、日本共産党が棄権したことがあります。その日の本会議の採決方法は、記名投票でおこなわれましたので、私たちは本会議に出席しましたが登壇して投票をせず座っていました。これは、極めてまれなことです。

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