アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

奮戦記

【14.07.11】今年の「骨太方針」の特徴について

 6月24日に公表された「骨太方針」(「日本再興戦略」改訂2014―未来への挑戦―)には、財界・安倍内閣の政策方針が鮮明にあらわれています。
 まず、その決め方ですが、閣議決定される前に「方針」を了承したのは経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議でした。ここに、財界直結の新たな司令塔としての役割が如実に示されています。

 その内容は、徹頭徹尾、財界・大企業奉仕と国民大収奪の総合政策で貫かれています。たとえば冒頭から、「鍵となる施策」として「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」「経営者のマインドを変革し、グローバル水準のROEの達成等を一つの目安に、グローバル競争に打ち勝つ攻めの経営判断を後押しする仕組みを強化していく」と書かれています。

 いうまでもなくROE(株主資本利益率)とは、株主の資金が企業収益にどれだけ繋がったかを示す指標です。「企業収益の更なる拡大」こそが真の目標であり、株主至上主義ともいうべき発想が、「方針」全体を貫いているのです。

 そのうえで、国の役割が大企業の「事業環境の整備」にあることが強調され、「現実に収益を向上させていくためには、国が責任を持って、世界トップクラスの事業環境を整備していく必要がある」と述べ、そのために「国を変える」としています。

 具体的な方策として、雇用制度などの「岩盤規制に一つ一つ穴を開けていくこと」、「TPPをはじめとする経済連携交渉を加速」すること、「成長志向型の法人税改革」、「イノベーションの推進と社会的課題解決へのロボット革命」、「公的・準公的資金の運用等の見直し」などがあげられています。

 たとえば、「成長志向型の法人税改革」では、黒字の大企業に対して法人実効税率の35.64%から20%台に引き下げようとしています。
 約2.5兆円にのぼる財源づくりとしてねらっているのが中小企業・庶民への負担増です。4月からの消費税増税で国民負担が急増し、物価も上昇しているなかで所得が減少しているのに、さらに消費税の10%への引き上げ、中小企業への外形標準課税の強化、社会保障の削減などがねらわれています。

 さらに注目したいのは、国民の貴重な財産である「世界最大の年金基金」129兆円を株価操作に利用しようとしていることです。公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、その17%が日本株式で運用しています。その比率を大幅に引き上げようというのです。

 安倍内閣は、経済政策の面でも“暴走”を続けています。  

Share (facebook)

このページの先頭にもどる