奮戦記
【14.02.05】大企業は法人税を3分の2しか払っていない
安倍総理は、1月末のダボス会議で、「法人税を今年の4月から2.4%引き下げます。…本年さらなる法人税改革に着手いたします」と発言しています。
これ以上の法人税引下げについては、自民党のなかからさえ批判の声が聞こえる。法人税はそんなに高いのでしょうか。
2013年12月2日の第4回政府税制調査会に、財務省が提出した資料があります。そこには、法人税は、基本税率30%のとき(平成23年度)、実質負担率は21.3%しかなかったのです。
財務省の冨安税制第三課長はこう説明しています。→「新しい資料ですが、法人が税を負担する際、課税所得に対して税率があり、平成23年度は30パーセントかかるのですが、先ほど申し上げた繰越欠損金がなかった場合、その年に稼いだ所得に対して、実際に払った税負担はどれぐらいになるかを試算したものです。一番上の合計で御覧いただくと、21.3パーセントという数字が、繰越欠損金を引く前、その年に稼いだ所得に対する税負担の割合です」と。
基本税率30%といいますが、実際には3分の2しか負担していないのは、なぜでしょうか。さまざまな減税措置があるからです。連結納税制度、受取益金不算入制度、研究開発減税などの租税特別措置、欠損金の繰越控除制度などがあって、課税対象が小さくなっているのです。
いまは、基本税率が25.5%に下がっているのですから、この実質負担はさらに下がっているはずです。10数%になるでしょう。
以前、私も質問したことがありますが、大企業になればなるほど、負担率は低くなっています。巨大な企業グループである連結法人は、もっとも負担率が低く、まともに負担していません。それなのに、さらに引き下げるなど、とんでもないことです。
それなのに、日本経団連は、法人税をもっと下げろ、消費税は上げろと、勝手なことを言って、国民の所得を奪おうとしています。安倍内閣はその言いなりになっていると言わざるを得ません。