奮戦記
【14.02.04】人事官候補者の所信聴取・質疑がおこなわれました
議運委員会が開かれ、政府が提案した人事官候補者の所信聴取・質疑がおこなわれました。
人事官候補者の立花宏氏は、長いあいだ日本経団連の事務局で働き、規制改革、国家公務員制度改革を含む行政改革を担当し、専務理事や参与を勤めました。その後、内閣官房参与・国家公務員制度改革推進本部事務局長に就任(2008年7月〜2009年12月)しています。
人事院の位置づけについてだが、最も重要なのは、公務員の労働基本権制約の代償機能としての役割です。
憲法28条が保障する労働基本権、すなわち、団結権、団体交渉権、争議権は、本来、公務員にも保障されるべきですが、現在の国家公務員法では、公務員の地位の特殊性を理由に、それを制約しています。そのことから、人事院が代償機能を求められているのです。
人事院は、政府から独立して、中立の立場で、国家公務員の身分、任免、服務、さらに、賃金や労働時間などの労働条件を定める役割を担っています。同時に、人事院は、中央人事についての準司法的権限もあわせ持ち、公務員の中立、公正、公平を確保する役割を担っています。
したがって、こうした任務の重要性を自覚して、政府から独立し、中立の立場で職務を遂行しなければなりません。
私が、その認識を質したところ、それには同意しました。
しかし、立花さんは、これまで民間企業の立場から、経団連で規制改革、国家公務員制度改革を含む行政改革の問題を担当してきました。その後は、政府の立場で、公務員制度改革を推進する立場にありました。
人事官は、中立、独立の立場から独自の判断をしなければならず、そのときどきの政府の意向によって、簡単に左右されるべきではありません。
私が、「これまでの立場と一線を画し、中立の立場に立つ決意があるか」どうかときいたのですが、立花氏から「政府からの独立」という言葉は聞かれませんでした。
最後にきいたのは、公務員制度改革で一番大事な、労働基本権の回復問題です。ILOは、日本が進めている公務員制度改革にかかわって、監獄職員の団結権、一般の公務員についての争議権、労働協約締結権を保障するなど、国際労働基準に従った改革を進めることを求める勧告を、これまで繰り返し行っています。
「この勧告を、どのように受けとめているか」ときいたのですが、「労働基本権制約の代償機能があればよいという見解もある」と答え、ILO勧告を正面から受け止めるという姿勢は見られませんでした。