奮戦記
【14.02.06】中小企業は消費税を転嫁できない
消費税が増税されたら中小業者が、増税分を価格転嫁するのはたいへんです。
中小業者は、いまでも原材料価格が上がっているのに、それを転嫁できていません。日本商工会議所の「早期景気観測調査」(2013年11月)によれば、「ほとんど転嫁できていない」企業が6割に達しています。
そのうえ、消費税が上がったら、とてもやっていけないと言っています。
政府が2011年に、中小企業4団体に依頼して行った調査で、売上高3000万円以下の業者のうち消費税を「転嫁できていない」と回答したのは、約7割あります。
消費税が転嫁できない場合は、消費者から消費税を預かっていません。しかし、業者は納税の義務があります。
2月3日の予算委員会で、私が「そのお金は、どこから出すのか。誰が負担するのか」と安倍総理にききました。
しかし、総理も経産大臣も「転嫁することが前提」と答弁するだけで、中小業者が「身銭を切って負担している」事実を認めませんでした(以前、野田総理のばあいは「業者負担」を認めたことがあります)。
なぜでしょう。安倍内閣は、中小企業・業者を苦しめても、それを無視して消費税大増税を押しつけようとする魂胆があるからでしょう。ほんとう、許せません。
政府は、「転嫁対策」をいろいろやっているといいますが、まちの小売店は、転嫁すればお客さんがいなくなって売上げが大幅に減り、転嫁しないと自分で負担しなければなりません。どう転んでも、やっていけないといっています。
この機会に店をたたんでしまうと言っている業者があります。私が直接聞いた話でも、酒屋さんが「消費税が上がるので、もう店をやめます」といっています。
業者の声をいくつか紹介しておきましょう。
−−お弁当中心の飲食業の方は、「現在は何とか消費税を納付しているが、8%になったら転嫁できない。主力商品のお弁当は競争が激しい。自分のところは400円、しかし近所のコンビニや大手の弁当屋は300円代。消費税を上乗せしたらとても太刀打ちできない。消費税の増税分は自腹を切るしかないと考えているが、店がもつかどうかわからない。」
−−パンの製造・小売り・喫茶店を経営している方は、「度重なる原材料の値上げ(小麦粉、油脂類等)に苦しんできました。年金生活をしている方が多いのでお客さんの財布のひもは固く、以前、コーヒー1杯300円から330円に値上げしたとき、大きく売り上げが落ちて、以前の売り上げには戻っていないので、怖くて値上げできない。現在、円安で原材料、電気代などの値上げに加え、消費税まで増税となれば、値上げは必至で、営業が続けていけるか、とても不安です」。
唯一の解決策は、消費税を増税しないことです。