奮戦記
【13.12.31】マネタリーベースが増えればそれで良いのか
日銀が金融機関に貨幣を供給する「マネタリーベース」で200兆円を超えたと報道されました。しかし肝心なのは、金融機関が経済全体に貨幣を供給する「マネーストック」です。それは、ほとんど増えていないのです。最大の問題は、資金需要がないからです。
消費者物価をむりやり上げたり、日銀と銀行の間にじゃぶじゃぶ資金を増やして何がよいのでしょうか。庶民の生活水準は低下し原材料の高騰で中小企業の営業は、苦しくなるばかりです。そのうえ消費税増税が待ち受けています。
そんなことをして喜んでいるのは、安倍総理と黒田日銀総裁くらいでしょう。財政赤字を日銀が実質的にファイナンスするようになったら、財政規律もなくなり、さらに大増税とスタグフレーションへの道に進むことになるでしょう。
家計を中心とする内需拡大を軸として実体経済が好転しないかぎり、日本経済は活性化しないのです。
-----facebookの読者から、以下のような解説がありました。
金融の緩和とは日銀に市中銀行がおいている当座預金口座残高が増えることですが、日銀がかってに増やしてやるわけではありません。
政府の発行した国債を市場価格で買ってやる、リスクの高い債権を買ってやることによって当座預金口座が増えるのです。異次元の金融緩和で猛烈にそれをやっているのです。
また国債は政府保証の優良金融商品であり、銀行はこれを買ってマネー・ゲームに使います。
量的金融緩和を期待していたのは大手銀行や投資家であり、決して庶民が期待していたものではないのです。
これを推進する理論を提供している「経済学」は、経済学とは言えないしろものです。