アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

奮戦記

【13.11.21】衆院本会議で「国家戦略特区法案」への反対討論

 衆議院本会議で、私が行った「国家戦略特区法案」に対する反対討論は、以下の通りです。
 ………………………………………
 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特区法案に対し、反対の討論をおこないます。

 反対する第1の理由は、この法案が、戦略特区における規制緩和を「国家の意志」として上から一方的に、国民に押しつけるものとなっているからであります。
 法案では、内閣府設置法にもとづき「戦略特区諮問会議」という強い権限を持つ組織をつくり、総理が任命するメンバーで構成されることとなっております。そこには大企業の代表が参加し「規制改革」推進の司令塔としての役割が付与されているのであります。
 その意志決定過程には、労働者や消費者などの国民はもちろん、関係閣僚さえも参加させない構造になっております。
 国家戦略特区諮問会議と各地域の特区会議を足場に、財界いいなりの規制緩和と支援をおこない、巨大な多国籍企業に特別の利益を与えることになるのであります。まさに、総理大臣を中心とするトップダウンの体制づくりであり、戦略特区諮問会議は、ブレーキのない“規制緩和・暴走機関”となるのであります。

 反対する第2の理由は、規制緩和に対する勤労国民の懸念の声、社会的・経済的な悪影響を受ける被害者の声をまともに反映する筋道がないことであります。
 森ビルなどの大企業が提出した特区提案の多数が「非公表」にされ、いまだに公開されておりません。そのため国民は、提案の内容に即して、労働条件の悪化、環境破壊、医療被害、他事業者の経営悪化等について、どのような影響が出てくるのか、具体的な検討さえできない状況にあります。
 しかも、計画が実施されたあとで悪影響が出ても、被害者の声を聞いて事業を変更する筋道も手立てもありません。被害者の声をまともに聞かず、国民を「実験台」にするような姿勢は、到底、許されるものではありません。

 第3の理由は、「対日規制改革要望」など、アメリカの積年の要求に応え、外国資本を特別扱いする余地を残しているからです。「対日投資の倍化」を掲げ、税制などで外資への特別の優遇策を検討していることも明らかとなりました。
 仮に、交渉中のTPPが妥結して発効するという最悪の事態をまねいたなら、国内の規制緩和がそれと重なり、国民の暮らしと健康を守る規制項目が一気に緩和・撤廃され、日米の多国籍企業が横暴をふるう殺伐とした日本になる危険性をはらんでいるのであります。

 この法案が、大企業優遇税制とワンセットで提案されていることも重大です。大企業に対して法人税の減税をおこなう一方、国民には消費税増税を押しつけ13.5兆円もの所得を奪いとるなど、とても許せるものではありません。
 これでは、総理のいう「失われた20年」は克服できるどころか、いっそう深刻なデフレと経済の低迷をもたらすことになるではありませんか。
 大企業は、多国籍企業化して、世界中で利益をあげながら、内部留保を史上空前の270兆円に積み上げております。その一方、国内経済を空洞化させ、非正規労働者は2043万人に増え、雇用不安と低賃金に苦しんでいます。正規労働者の平均年収は、この間70万円も減少しました。ブラック企業が広がるなかで、長時間・超過密労働と過労死という深刻な社会問題を引き起こしております。

 安倍総理は、「失われた20年」について、自民党に大きな責任があると答えました。それなら、規制緩和と大企業減税という、すでに破綻した政策を繰り返すことをやめ、国民生活に軸足を置いた政策に抜本的に改めるべきであります。
 このことを指摘して、反対討論と致します。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる