奮戦記
【13.11.20】「国家戦略特区法案」について質問・討論
内閣委員会で「国家戦略特区法案」について新藤担当大臣に40分間の質問。その後、安倍内閣総理大臣に質問。さらに質疑終局後、反対討論を行いました。
規制緩和に関する安倍総理のトップダウン体制づくりであることが明確です。
私が内閣委員会でおこなった討論は、以下の通りです。
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私は日本共産党を代表して、国家戦略特区法案に対し反対の討論をおこないます。
反対する第1の理由は、この法案が、規制緩和を「国家意志」として上から一方的に国民に押しつけるものとなっているからです。
法案では、内閣府設置法に基づく「戦略特区諮問会議」という強い権限を持つ組織を新設し、総理が任命する諮問会議メンバーを規制改革推進派で固める一方、労働者や消費者はもちろん、関係閣僚さえ意志決定過程から排除し、総理を中心とするトップダウンの仕組みをつくりあげるものとなっています。これは、日本経団連をはじめ財界の意のままに規制緩和をおこない、巨大な多国籍企業に特別な利益を与える体制づくりであります。
第2の理由は、規制緩和に対する勤労国民の懸念の声、社会的・経済的な悪影響を受ける側の声を、まともに反映する経路がないことです。
森ビルなどの大企業が提出した特区提案の多数が非公表とされ、竹中平蔵・パソナ取締役会長が人材派遣業界の利益拡大を狙って「雇用規制の岩盤をこわす」と言っていることを見ても、情報を隠し被害者の声をまともに聞かず、国民を実験台にするような姿勢は、到底、許されるものではありません。
第3の理由は、対日規制改革要望など、アメリカの積年の要求に応え、外国資本を特別扱いする余地を残しているからです。対日投資の倍化を掲げ、税制などで外資への特別の優遇策を検討していることも明らかとなりました。
仮に、交渉中のTPPが妥結して発効するような事態をまねいたなら、この国家戦略特区の規制緩和がそれと重なり、国民の暮らしと健康を守る規制項目が一気に緩和・撤廃され、米系多国籍企業が横暴をふるう殺伐とした日本になる危険性をはらんでおります。
最後に、この法案が、大企業優遇税制とワンセットで提案されていることも重大です。大企業に対して法人税の減税をおこなう一方、国民には消費税増税を押しつけ13.5兆円もの所得を奪いとるなど、とても許せるものではありません。
この法案は、国民生活に新たな格差と貧困をもたらすことになります。
なお、自民党・公明党・民主党・みんなの党の共同提案による修正案については、総理の権限をいっそう強化するなど、私たちの懸念を深める内容となっており、賛同できないことを申し添えておきます。
以上で、反対討論とします。