奮戦記
【13.09.17】安倍内閣の司令塔に入った民間人(facebookより)
経済財政諮問会議は、安倍内閣の経済政策(アベノミクス)推進の司令塔で、議長(総理大臣)と10人の議員、計11人で構成されています。そのなかに、「4人の民間有識者」(民間4議員)が含まれています。「民間有識者の人数を議員数の4割以上確保する」と法律で決められているからです。
その民間議員は、財界から2名、学界から2名が選ばれています。財界代表のひとりは、経済同友会副代表幹事の小林喜光氏(三菱ケミカルホールディングス代表取締役社長)もうひとりは、日本経済団体連合会副会長の佐々木則夫氏(株式会社東芝取締役副会長)です。
それぞれの経済団体のトップではなくナンバー2です。なぜこの二人なのでしょうか。2人に共通しているのは、じつは原子力発電なのです。
小林喜光氏は、2012年5月に東京電力の社外取締役に就任しています。小林氏は、経済財政諮問会議が取り組むべきテーマとして「成長戦略とエネルギー政策」をあげ、エネルギー政策では「いかに原発を再稼働するかだ」と発言しているのです。(時事通信2013/01/07)。また、原発「10〜20基は再稼働するべきだ」(ロイター2013/08/08)とも強調しています。
佐々木則夫氏は、2009年6月から東芝の取締役会長、2013年6月より副会長に就任しています。佐々木氏は原子力発電事業のエキスパートで、原子力関連事業を東芝の主力事業に押し上げたキーパーソンとも言われています。
原発再稼働を推進する「原発利益共同体」の代表が、国の政策の司令塔のなかに堂々と入り込んでいることには、驚いてしまいます。
学者を含む4人の民間議員は、今年1月から再開された経済財政諮問会議のなかで常にリーダー的役割を果たし続けています。これまで、経済財政諮問会議は19回開かれていますが、4人の民間議員は、22回の文書提出をおこなっています。
なかでも、3月26日に提出した「経済財政政策から見たエネルギー戦略について」は、原発が停止したため「エネルギーの供給不安」と「電力料金の高騰」が起こっていると述べ、早急に「エネルギーミックス」を定めるべきだとし、「原発の再稼働」を強調しています。
私たちは、誰によって安倍内閣の政策が進められているのか、事実をよく見なければなりません。