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奮戦記

【13.07.13】なぜ、大企業の法人税負担が低いのか?(facebookより)

 7月10日付の「しんぶん赤旗」1面で、『法人税 大企業ほど軽い』という記事が載っていました。
リンク【しんぶん赤旗】三井物産6% 日産16% トヨタ26%…法人税 大企業ほど軽い/自民、さらに「大胆減税」/庶民には消費税大増税(2013.7.10)

 日本の法人税は、表面的な税率を見ると高いと言われますが、実際の負担をみると、大企業の税負担にはさまざまな優遇があって、実際の税負担率は軽くなっています。

 そのひとつは、税額控除という仕組みです。
 例えば所得税額控除というのがあります。これは、企業が受け取った配当などの収入について、所得税が課税されていた場合にその額を法人税額から控除できる仕組みです。
 外国税額控除というのは、企業や海外子会社が外国で法人税に相当する税金を納めた場合、その税額を法人税額から控除できる仕組みです。これは多国籍企業になればなるほど利用できます。試験研究費の税額控除は、研究費総額の8%から10%の税額控除が認められる仕組みです。
 これらの税額控除は、中小企業も利用できると言われますが、実際には多くが大企業によって利用されています。そのため、大企業の税負担率を引き下げる要因になっているのです。

 もう一つは、企業の申告所得を小さくする仕組みです。例えば受取配当益金不算入という仕組みは、ほかの企業から受け取った株式配当は収益に計上されるけれども法人税の計算では収益に入れないというものです。
 外国子会社配当益金不算入は、一定の要件を満たす外国子会社から受け取った配当の95%までは益金に算入しなくてもよい仕組みです。また、特別償却は大きく償却された分、所得が圧縮される仕組みになっています。
 連結納税は、グループの企業の中に赤字企業があるとほかの企業の黒字を減らすことができて税が軽くなる仕組みです。これは巨大な企業グループしか利用できません。

 このようにして、日本の大企業の税負担は、軽減税率がある中小企業より軽くなっているのです。
 グラフは、国税庁「会社標本調査結果 (税務統計から見た法人企業の実態)平成23年度分統計表」などより、佐々木憲昭事務所が作成。
 「法人税負担率」は、「申告所得金額」に減税効果がある項目を加算し、本来の所得額で、「法人税額」の負担率を計算したもの。
 法人税率(国税分)は30%、中小企業は軽減措置があり、22%、18%。
 


「企業規模別法人税負担」PDFはこちらから


◆この内容を質問した記事・議事録・パネル・ムービー等は、こちらから
リンク【国会での活動】消費税増税「全額社会保障へ」は“まやかし” 暮らしを直撃し、経済を破壊する(12.05.22)
◆大企業の内部留保の推移はこちらから
リンク【奮戦記】「薄気味悪いくらい」溜めこんだ内部留保の使い道(13.07.12)
◆大企業の法人税負担率が下がり続けているグラフはこちらから
リンク【奮戦記】日本の法人税率は高いのか?(13.07.13)

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