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奮戦記

【13.04.30】金融緩和をすれば、デフレを克服できるのか?(facebookより)

 安倍総理も黒田日銀総裁も、日銀が“異次元”の金融緩和をすれば、デフレを克服できると言っている。果たしてそうだろうか。

 どれだけお金が出回っているかを見るとき、ふたつの統計が重要である。ひとつは、日銀が金融機関に貨幣を供給する部分、これを「マネタリーベース」という。もうひとつは、金融機関が経済全体に貨幣を供給する部分、これを「マネーストック」という。この2つに分けて見ることが必要だ。

 リーマンショックが起こった2008年の2月から今年2月までの5年間で、マネタリーベース(標準残高)は46.96%増えている。しかし、マネーストック(M3)は10.33%しか増えなかった。

 このことは、いくら日銀が金融緩和をおこなっても、日銀と銀行の間にじゃぶじゃぶおカネがたまるだけで、銀行から先の経済活動におカネが流れなかったことを示している。銀行からの貸し出しも低迷しているのが実態だ。

 いくら金融緩和しても、おカネが銀行から先に出ていかないのは、資金需要がないからだ。その原因は、GDP(国内総生産)の6割を占める家計消費が伸びず、内需が低迷していることにある。――政府と日銀の対策は、逆立ちしているのだ。


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