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奮戦記

【11.12.08】財務大臣に来年度予算の申し入れ、原発事故調の発足で意見表明

   「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会の方々とご一緒に、財務大臣にたいして、来年度政府予算案策定に対する申し入れをおこないました。

   申し入れたのは、大黒作治・全国労働組合総連合議長、国分稔・全国商工団体連合会会長、笠井貴美代・新日本婦人の会会長、長瀬文雄・全日本民主医療機関連合会事務局長、松岡恒雄・全国生活と健康を守る会連合会会長、斉藤俊之・農民運動全国連合会財政部長、黒田健司・全国労働組合総連合常任幹事(国民大運動実行委員会事務局長)の方々です。

   冒頭、大黒作治全労連議長が、放射線物質汚染された土壌の除染など被災地の復旧復興予算の拡充を求め、欧米で注目される富裕層への課税強化にならい日本でも大企業・富裕層などに応分の負担をさせる財政・歳入改革への転換を主張しました。

 国分稔全商連会長は、東日本大震災の被災地でも中小零細業者が地域社会の復興を支えていると支援の拡充を訴えました。
 松岡恒雄全生連会長は、義捐金を収入とみなして生活保護を打ち切る南相馬市の行政を批判。笠井貴美代新日本婦人の会会長は、産みたくても産めない実態を改善するため、子育て・働く女性への支援拡充が必要と強調しました。
 TPP問題について、斉藤敏之農民連財政部長は、農業を犠牲にするものと批判し、来年度予算で米価下落に歯止めをかける緊急対策を要求。長瀬文雄民医連事務局長は、TPP参加で日本の医療制度は崩されると指摘しました。また、社会保障・税一体改革についても、消費税増税分が社会保障の充実に使われないと批判しました。

 安住財務相は、社会保障の維持のために消費課税はお願いしたいと述べつつ、富裕層への課税強化は再来年には実現したいと約束しました。
 交渉には、大門実紀史参院議員と私が同席しました。

国会東電福島原発事故調査委員会の発足にあたっての発言

   本日発足した東電福島第一原発事故の調査委員会発足にあたって、両院議運合同協議会で述べた意見は、以下の通りです。
 ……………………………………………

   3月11日に発生した東日本大震災により、福島第一原発はすべての電源を喪失し冷却機能を失い炉心溶融に至りました。その後の水素爆発により大量の放射性物質を大気中に飛散させ、汚染水を海洋に流出させるなど、チェルノブイリを超える史上最悪の原発事故となったのであります。

 このような事態を招いた政府と東京電力の責任はきわめて重大です。事故を収束させ、放射能汚染・被害から住民の生命と暮らしをまもり、二度とこのような事故をおこすことのないようにするため、事故原因の徹底究明が不可欠です。
 事故の当事者であり加害者である東電は、いまなお必要な情報・資料を明らかにせず、政府も情報公開に消極的で、政府の事故調査・検証委員会はその法的権限があいまいなまま非公開で調査をすすめ会議録も公開しておりません。このもとで、国政調査権を背景として国会に設置される調査委員会が、政府から独立し、政治介入を排し、公開を基本として、事故原因の究明にあたることは、きわめて重要な意義をもつものです。

   以下、調査に関して、いくつか問題を提起しておきます。

 第1に、事故原因の究明で重要なことは、地震・津波による原発設備の損壊の実態をはじめ、福島第一原発で何がおこり、どう対応し、どのような事態が進行したのか、事故にかかわる事実関係を逐一、具体的に明らかにすることです。プラントデータを含めた事故事実を把握することは、原因究明の土台です。

 東電は未だに「想定外の津波」が原因だと主張していますが、「地震動」のデータの全てを公表しているわけではありません。プラントの破損状況とともに、それぞれの破損の原因が何なのか、地震か、津波か、あるいは水素爆発なのか、検証すべきです。
 また、原発の危険性と過酷事故対策について国会でも再三指摘、警告されていたにもかかわらず、なぜ対応がとられなかったのか。そもそも福島第一原発はどのような「想定」で設計され建設されたのか、徹底究明が必要です。

   第2は、事故後、政府・東電が、原子力災害対策特別措置法にもとづく対応をしなかったのはなぜかという問題です。

 例えば、3月24日、吉井英勝議員が事故にかかる基礎的データの提出を要求しましたが、政府は事実を把握していませんでした。原子炉規制法にもとづき東電に報告徴収命令をだすべきだとの質問をうけ、4月25日にようやく東電に報告を命じ、1カ月後に報告文書を受けるという状態でした。
 なぜ、政府はその権限をすべて行使し法的権限にもとづいて事態の掌握をしなかったのか。東電は、事故対応マニュアルを「知的財産」だと称して提出をしぶり、「黒塗」で提出するという対応で、事実の解明にきわめて消極的な態度に終始してきました。

 一方で法律にもとづかない「統合本部」が事故対応をおこない、「日米合同チーム」がつくられましたが、その経緯や具体的対応の内容も詳細に明らかにするべきです。
 また、住民の安全確保のために、スピーディが活用されなかった問題、安定ヨウ素剤の配布と服用が指示されなかった原因、避難指示をめぐる混乱などの検証も必要です。

   最後に、原子力行政と原子力政策の検証です。原子力行政では「規制」と「推進」の分離がいわれながら、2000年の中央省庁再編の際に「原子力安全・保安院」を新設し、原発推進の経産省のもとに「規制」権限を事実上一元化したのはなぜか、その経緯と弊害の検証が必要です。

 さらに、わが国の原発政策の根幹をなす日米原子力協定と電源3法のもとで、「安全神話」をつくりあげ、地域住民の反対を押し切って、原発を推進してきた政・財・官・学の構造そのものにメスをいれる必要があります。地域独占体制と総括原価方式に守られた電力会社を中心とし原発メーカー・ゼネコン・銀行など財界中枢で構成する「原発利益共同体」ともいうべき利益構造の解明に及ぶ調査が求められています。

 以上、委員各位がその職責を果たされんことを求め、発言をおわります。

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