奮戦記
【11.12.09】臨時国会最終日――議運委員会で議案の扱いについて発言
議院運営委員会で、2つの協定の緊急上程と労働者派遣法の継続審議に反対する意見表明を行いました。その内容は、以下の通りです。
日・ペルーEPA、日・メキシコEPA改正議定書の緊急上程に反対
日本・ペルーEPA(経済連携協定)、日本・メキシコEPA改正議定書の両案を緊急上程することに反対の意見表明を行います。
今朝10時20分に、外務委員長から緊急上程の申し出があったと言われましたが、現場ではそうなっておりません。本日の外務委員会は、臨時国会の最終日に、理事会において最終的に与野党の合意もなく、タイムテーブルも合意されていない中で、開催が強行されたのであります。このことに厳しく抗議します。
10月20日に召集された臨時国会の会期は、51日間もあったのであります。政府・与党がそれほど重要な案件というなら、落ち着いた状況のもとで、しっかりした審議を行う機会は、これまでに、いくらでもあったではありませんか。
ところが、会期末のどさくさに、与党内からも異論が出て、採決を欠席する議員が相次ぐような原発輸出のための4つの原子力協力協定を強行したうえ、またも、会期末処理のための各委員会がいっせいに開かれ、日程が窮屈で、与党の委員すら差し替えを繰り返さなければならない状況のもとで、どうしてしっかりした審議ができるでしょうか。
しかも、外務委員会では、各党の各党の質疑時間の割り振り、時間割も提示されず、質疑しようにもできない状況をつくったのは、あげて与党の責任といわなければなりません。当日の朝まで開催についての合意がないもとで、質疑通告のしようもなく、しっかりとした答弁、質疑もできない状況だったのであります。
相手国がある、「国益」を損なうなどといって、こんなやり方で強行しようとすることこそ、対外的な信用も、国民の利益も損なうものと言わなければなりません。
与党だけで強行するなら、議会制民主主義は壊されてしまいます。いまからでも遅くはありません。緊急上程の強行は、きっぱり断念することを強く求めるものであります。
労働者派遣法改正案の継続に反対の意見表明
労働者派遣法改正案は、昨年2010年4月6日、174国会に鳩山内閣が提出し、同年4月16日の本会議で重要広範議案として総理出席のもと審議を開始し、つづいて厚生労働委員会で与野党一巡の質疑をおこなっただけであります。この中で、総理交代の政局のもとで委員会審議を中断し、以後、総理が2度交代し3代の内閣、5国会にわたって継続審議の手続きがとられてきました。
この間、わが党は、徹底審議をもとめ、とりわけ派遣労働者の意見をきくための参考人質疑開催を繰り返し要求しましたが、一度も実現しないまま、法案は1年7ヶ月余りの間、棚ざらしにされてきたのであります。
ところが、今国会の会期末になって突然、民主・自民・公明3党で合意したという修正案が提出され、12月7日、わずか3時間の質疑で修正可決を強行したのであります。国会審議をないがしろにするやり方であり、言語道断です。
しかも、修正の内容は、「製造業務派遣・登録型派遣の原則禁止」という法案の根幹部分を丸ごと削除し骨抜きにするものです。政府案にはもともと重大な「抜け穴」があり不十分なものだと私たちは批判してきましたが、まがりなりにも派遣労働への規制を強化しようという根幹部分を削除したのでは、法案の提案理由そのものの否定であり、断じて容認できません。
そもそも、派遣法改正は、2008年のリーマンショック後、「派遣切り」が社会問題になるなか、抜本改正をもとめる労働者、国民の声が高まり、政治課題となってきたものであります。09年総選挙で民主党はマニュフェストの中心政策として「労働者派遣法の抜本改正」をかかげ政権交代をなしとげ、その民主党政権のもと、労政審で「労使がぎりぎりの調整」を経てつくったというのが政府案でありました。それすらも投げ捨てて恥じない態度は、労働者・国民の期待を真っ向から裏切るものと断じざるを得ません。
以上、民主党が、不十分な政府案すらも骨抜きにする修正を委員会で可決する態度をとるに至ったもとで、本法案の継続は、到底認められません。
日本共産党国会議員団総会で志位和夫委員長があいさつ
志位委員長は、日本共産党国会議員団総会であいさつし、臨時国会では、大震災・原発災害からの復興が最大課題となったが、被災地のたたかいと心一つに奮闘してきたと述べ、引き続き全力を尽くす決意を表明しました。
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