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奮戦記

【11.06.12】消費税大増税は“逆進性”をエスカレートさせる

   野田佳彦財務大臣が会長をつとめている政府税制調査会がすすめる消費税の大幅増税に向けた議論は、ますます危険な傾向を強めています。

 まず、2015年度までに消費税を5%増税し、さらに将来は社会保障費をすべて消費税で賄うとしていますが、そんなことをすれば、消費税率は20%以上にはねあがってしまいます。
 ほんとうに、その分が社会保障の充実に回るのでしょうか。

   「改革」案の説明資料によれば、増税する5%のうち“社会保障が増える分”は1%分と明記しています。

 あとは、高齢化に伴う自然増、基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げ、財政赤字の補てんなどに当てられます。
 そのため、福山哲郎官房副長官は、「それで本当に国民を説得できるのかどうか。私は正直言って自信がない」と言ったそうです。
 自信がないなら、いますぐ撤回したらどうでしょう。

   しかも、消費税1%分が“社会保障の増える分”となるかどうかも確かではありません。

 政府の試算では、年金支給開始年齢の引き上げ、物価下落幅を上回る年金カット、生活保護費の縮小などによる予算削減額は計上していないからです。
 もともと、社会保障の財源に逆進性の強い消費税を充てることは、社会保障制度そのものの所得再分配効果を破壊することになります。
 こんなやり方は、根本的に見直すべきです。

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