奮戦記
【11.04.20】財金委で預金保険法等改定案に反対討論
今日開かれた財務金融委員会で、特定住宅金融専門会社(住専)の2次損失の処理方法などを決めた預金保険法改正案を、民主、自民、公明の賛成で可決されました。日本共産党は反対しました。採決に先立って、質疑と討論が行われました。私の反対討論は以下の通りです。
預金保険法等改定案に対する反対討論
預金保険法等改正案に反対の立場で討論をおこないます。
第一の理由は、本法案が、母体行の責任を棚上げし、二次損失の負担を軽減させるものだからです。
我が党は、1996年の住専処理策および国と民間が損失の負担を折半することにした二次処理策について、破綻の原因や責任を問わないまま最大の責任ある母体行の負担を軽減するために、公的資金を導入し、国民に負担のしわ寄せを押し付けるものとの理由で反対しました。
今回の改正案による二次損失の補填スキームは、新たな国民負担を求めるものではありませんが、整理回収機構の住専とは別の勘定にある剰余利益や預金保険機構の一般勘定を利用して、母体行の負担を軽減させる仕組みを新たに追加しています。
整理回収機構にも、現在預金保険料を支払っているゆうちょ銀行にも、住専破綻の責任はありません。母体行を中心に出資した金融安定化拠出基金が負担を負うのが当然です。母体行の責任を棚上げにする本法案には反対であります。
第二の理由は、整理回収機構に、民間金融機関の保有する反社等債権の買取や回収機能を付与したことで、民間金融機関の反社会的組織に対する債権回収の責任をあいまいにさせる懸念があることです。
住専債権の回収でも暴力団や地上げ屋などの不良債権の回収が問題となりました。
しかし、整理回収機構はどれだけ厳格に回収できたか明らかにしていません。15年たった今でもそのような債権が残存していることも含めて考えれば、整理回収機構の回収能力を評価することすらできないのです。
そもそも、このような不良債権の未回収は暴力団等の資金となりかねず、金融業界が厳格な対応をするために、融資した金融機関が最終的に責任を負うべきものであります。金融機関の責任をあいまいにしかねない本改正の内容には反対であります。
以上の理由から、預金保険法の一部を改正する法案に反対いたします。
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