奮戦記
【11.01.23】名古屋市で問われているもの――誰のための減税か
名古屋市長選挙は、今日告示され、前職と新人の計4人が立候補しました。
革新市政の会から立候補したのは、八田ひろ子さんです。
前職は、「市民税10%減税の恒久化」などをめぐって市議会との対立を深め、市議会の解散請求運動を主導しました。
そのうえ市長を辞職し、県知事選とのトリプル投票を仕掛けました。
すでに名古屋市では、リコール署名の審査と住民投票、市長選で計3億7000万円かかっています。
さらに議会を解散して、4月の市議選を3月に前倒し3億2000万円も使うというのです。このことに、どれほどの意味があるのでしょう。
7億円もお金があれば、国保料の引き下げや保育所建設に充てるべきではないでしょうか。
前職は、恒久的な市民税減税にこだわっています。いったい、誰のための減税でしょうか。
彼のマニフェストには、こう書いていました。
――「減税目標額は、例えば市民税2500億円の10%、250億円。納税者本人に加え、配偶者・扶養家族を加えると約180万人の市民に、減税の恩恵が及ぶことになる」「減税の姿として、定率減税(金持ちはゼロ)、定額減税、子育て減税、勤労者減税、社会保障減税、それらのミックスなどもあり」と。
市民税には、個人と法人の区別がありますが、具体的なことはもっぱら個人市民税に関する減税です。
このように、マニフェストで公約したのは「金持ちを除いた個人市民税の減税」であり、大企業・金持ち減税ではありませんでした。
ところが、前職がじっさいに市議会に出した「減税案」は、大企業と金持ちに手厚い「一律10%減税」だったのです。――これは、明らかに公約違反です。
納税企業のわずか0.2%の企業に減税総額の44%が集中し、最高納税企業は年に2億4240万円の巨額減税になります。
一方、法人の58%を占める赤字中小企業は、年間わずか5000円の減税に過ぎません。――明らかに大企業向け減税です。
個人市民税の減税はどうか。
納税者のわずか3.1%にあたる高所得層が減税総額の25%を手にし、最高納税者は年1035万円の巨額減税を受けます。
他方、均等割層の減税年額は300円にすぎません。年収500万円の4人家族のサラリーマン世帯で9500円です。
どこから見ても大企業・金持ち向けの減税で、公約違反は明白でしょう。
日本共産党の提案は、標準世帯で年収800万円以下を対象にした10%の税額控除方式です。
個人市民税の均等割額は、現行3000円を100円に大幅に引き下げ、均等割だけの納税世帯の減税率は97%になり、低所得層と勤労者世帯に厚い減税です。
その減税財源は、不要不急の大型事業の見直しなどで確保し、福祉はしっかり守り充実させるとしてます。
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