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奮戦記

【10.10.17】「減税日本」は誰に減税をしようというのか

   河村たかし名古屋市長が主導する市議会の解散請求は、約46万人分の署名を集め、現在、点検作業中です。

 仮に、リコールが成立すれば、政令市では初めてとなります。
 対立のきっかけは、河村市長が市長選で掲げた市民税の恒久減税などの「公約」が否定されたことにあるとされています。
 しかし今度の事態は、多くの問題を含んでいます。
 第一は、市長の言い分が通らないという理由で議会を解散することになれば、首長と議会をそれぞれ選ぶ地方自治の「二元代表制」の否定につながります。
 第二に、市長が進めようとしている減税の中身は、公約とはまったく違ったものだということです。

   2009年4月の名古屋市長選で、河村たかし候補の最大公約は「市民税10%減税」でした。

 河村氏のマニフェストには、こう書いていました。
 ――「減税目標額は、例えば市民税2500億円の10%、250億円。納税者本人に加え、配偶者・扶養家族を加えると約180万人の市民に、減税の恩恵が及ぶことになる」「減税の姿として、定率減税(金持ちはゼロ)、定額減税、子育て減税、勤労者減税、社会保障減税、それらのミックスなどもあり」と。
 市民税には、個人と法人の区別がありますが、具体的なことはもっぱら個人市民税に関する減税です。
 このように、マニフェストで公約したのは「金持ちを除いた個人市民税の減税」であり、大企業・金持ち減税ではありませんでした。

   ところが、河村市長が市議会に出した減税案は、大企業と金持ちに手厚い一律10%減税でした。

 これでは、納税企業の0.2%の企業に、減税総額の44%が集中します。
 最高納税企業は、年2億4240万円の巨額減税になるのです。
 その一方、法人の58%を占める赤字の中小企業は年間わずか5000円の減税に過ぎません(2008年度決算)。

 さらに、納税者のわずか3.1%にあたる高所得層が減税総額の25%を手にし、最高納税者は年1035万円の巨額減税を受けます。
 他方、均等割層の減税年額は300円です。年収500万円の4人家族のサラリーマン世帯では9500円です。

――こうなると、どこから見ても大企業・金持ち向けの減税であり、明らかに公約違反というべきでしょう。

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