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奮戦記

【10.08.23】「MOF担」の亡霊が蘇ったような生保業界の政界工作

   保険金の不払い問題が発覚した2006年ごろから、生保業界では財務金融委員会等の政治家をランク分けして、飲食接待やパーティー券購入、選挙応援などを通じて政界工作を強めていたことが明らかとなっています。

 金融庁が処分を検討している、まさにその最中に、国会の参考人として出たくない、質疑時間を短くしろ、参考人の人数を減らせと言って働きかけ、その意を受けた与党議員が与野党合意をひっくり返すことがおこなわれました。こんなことが許されたら、議会制民主主義の基本が崩れます。

   その手口は、1980〜90年代におこなわれた銀行の接待スキャンダルときわめて酷似しています。

 1970年代後半から80年代初めにかけて、5年間MOF担をつとめた長銀(当時)の箭内昇氏が『メガバンクの誤算』(中公新書)という本の中で、当時の大蔵省の「銀行検査」への銀行側の対応についてこのように書いています。
 ――「銀行側はできるだけ実質的な検査時間の短縮を図るため、昼間は経営理念など総論部分の説明に時間をさき、夜は接待攻勢を続けた。翌日の個別査定での厳しい質問をかわすためだ」。

 大蔵省からの天下りなどが結びつき、金融機関と行政の癒着と腐敗が極端にひろがって、1998年の大蔵省スキャンダルが発覚したのです。当時は、大蔵省の500人にのぼる職員・官僚が処分されています。

 あのときの亡霊が、10年の歳月を経てよみがえったような感じさえします。――真相を徹底的に究明しなければなりません。

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