奮戦記
【10.05.13】「政治主導確立法案」を議題とすることについて議運委で意見表明
衆院議院運営委員会で、「政治主導確立法案」を議題とすることについて、意見表明をおこないました。──以下、その内容を紹介します。
衆院議院運営委員会での意見表明
本日の本会議において「政治主導確立のための内閣法等改正案」を議題とし趣旨説明・質疑をおこなうことに反対の意見をのべます。
はじめに、与野党の合意がないにもかかわらず、委員長が職権で本会議を立て、委員会を開いたことに厳しく抗議するものです。議会運営は、与野党合意のもとで円満に進めるべきであります。
1)本法案は、「政治主導の確立」をかかげていますが、「政治主導」というなら、いま緊急になすべきは、政治の信頼の確立であります。
そのため、第一に、「政治とカネ」の問題で、鳩山総理と小沢幹事長が国民にたいし説明責任をはたすことです。鳩山総理は、9億円の資金使途について約束通り資料を提出して説明すること、小沢氏は、国会の証人喚問に応じ、自らの政治資金疑惑について証言すべきであります。
第二に、普天間米軍基地の無条件撤去を政治決断することです。鳩山総理は、移設先さがしで迷走をつづけたあげく、「県外・国外」は公約ではないといいのがれ、結局、沖縄と徳之島に負担をおしつけようとしており、国民の大きな憤りをよんでいます。予算委員会の集中審議で、この公約違反と政府方針の混迷をただし、国民・県民のもとめる方向に政治を主導することが求められているのであります。
2)本法案は、民主党小沢幹事長の主導のもと、いわゆる国会法改正案と一体で構想され、すすめられてきたものであります。
その内容は、内閣官房・内閣府に新たな機構を設け、副大臣、政務官、総理補佐官を大幅に増員し、さらに政務調査官を新設するなど、要するに総理官邸を中心とする内閣機能の権限を強化するものです。
その一方、国会に対しては、政府参考人制度の廃止、法案審議と国政調査の切り離しなどによって官僚答弁を排除する方向をとっていますが、これでは、国会が必要とする行政実態についての審査や調査ができず、予算や法案の充実した審議を阻害し、国会の行政監視機能を弱体化させ、国政調査権能を形骸化させることは明白です。
とりわけ、内閣法制局長官を政府特別補佐人から除外し国会審議の場から外し、9条の解釈改憲を「政治主導」ですすめることをねらっていることは断じて容認できません。
「政治主導の確立」「国会審議活性化」といいますが、その実体は、強い政府主導で国会審議を弱体化する国家改造にほかなりません。国民主権、議会制民主主義という憲法の基本原則に反するものであります。
3)こうした国家機構や国会のしくみの重大な変更は、政府与党、民主党の一存で強引すすめるべきものではありません。当然、時間をかけた国民的議論が必要です。
また、民主党は、国会法改正のため議会制度協議会の開催を要求していますが、そもそも議会制度協議会は、議長の諮問機関として、国会のあり方、運営ルールについて、与野党合意で円満にすすめるための協議機関であり、その場で形だけ協議すればいいというものではありません。
与党側が一方的に国会法改正案の提出などという挙にでた場合には、重大な決意でのぞむことを表明しておきます。
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