衆院政治倫理公選法特別委員会は、与党提出の公職選挙法改正案と政党助成法改正案を賛成多数で可決しました。

　日本共産党は、国政選挙の供託金を減額する公選法改定案（選挙区は300万円から200万円に、比例代表は600万円を400万円に減額）に賛成し、政党助成法改定案には反対しました。
　私は、討論をおこない、日本共産党の立場を明確にしました。 その内容は、以下の通りです。

公職選挙法の一部を改正する法律案、政党助成法の一部を改正する法律案についての討論

　私は、日本共産党を代表して、公職選挙法の一部を改正する法律案に賛成、政党助成法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。

　最初に、公職選挙法についてです。
　我が国の供託金制度は、制度導入以来、供託金・没収点を引き上げられ、国際的にみて突出して高いものとなっています。これは事実上、自由な立候補を制約するものとなっており、我が党は、抜本的見直しを一貫して求めてきました。
　提案者が答弁されたように、高い供託金制度が「自由な立候補の阻害要因となって」おり、「民主主義の観点から低めなければならない」ものであることは当然です。ただし、引き下げるとはいっても、まだまだ国際的には高い供託金であることにかわりなく、地方選挙における供託金の引き下げも盛り込まれていません。
　不十分ではありますが、法案は、現行制度を一定程度改善するものとなっているので、賛成とします。

　次に、政党助成法についてです。1995年に政党助成制度が導入されてから、今年4月までに交付された金額は、約4480億円にのぼります。

　提案者は、政党助成金は国民の貴重な税金を原資としているから、「政党が解散等を決定した日後における寄付の制限」をおこない「返還逃れ」をさせないようにすると説明しています。
　しかしそれは、合併等による解散で後継政党に引き継ぐ場合には適用されません。また、国会議員選挙に関し候補者など対して行われる寄付についても適用されないのであります。これでは、解党し活動が終わっていても、国に残金を返納しない「返納逃れ」を容認することになります。到底賛成できるものではありません。
　そもそも、国民に事実上の強制カンパを押しつけ、税金を山分けするような政党助成制度そのものを廃止すべきであります。
　政党助成制度は、1993年、金権政治への国民の批判を逆手にとって、「政治改革」と称して、小選挙区制の導入と一体で創設されましたが、その際、国民の税金を入れるにあたって、政治家個人への企業･団体献金は禁止することを国民に公約せざるをえなかったものであります。

　ところが、その後、企業・団体献金はなくなるどころか、日本経団連による「政策買収」ともいえる企業献金促進策がおこなわれるようになり、そのもとで大企業に奉仕する政策が推進される一方、国民には痛みと負担が押しつけられたのであります。

　しかも、わが党以外の政党は、国民の税金を分け取りする政党助成金にますます頼るようになっており、2大政党の場合は収入の6割から8割をも占めているのであります。そのうえ、使い残して各党で52億円もため込むなど、まさに言語道断であります。
　政党助成金は、国民の税金を原資としていますから、その使途を国民に全面公開するのは当然でありますが、今回の法案では、公開についての改正はまったく行われていません。
　もともと政党は、思想・信条にもとづく自発的な結社であり、その財政は党費と支持者の個人献金などでまかなわれるべきものです。日本共産党は、政党助成金も企業団体献金も受け取らず、党費、個人献金、機関紙などの事業収入で党財政をまかなっています。
　政治家は自ら身を削るべきだというなら、政党助成金は廃止し、企業・団体献金はただちに全面禁止すべきであります。
　以上で、討論を終ります。

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