奮戦記
【09.04.14】国有財産に関連して刀剣類について質問しました
財務金融委員会で、国有財産の管理問題に関連して質問しました。
第二次大戦後、占領軍が日本の武装解除の一環として一般国民から数十万本の刀剣類を接収し、その大部分は破棄されたり海外に流出したが、破棄・流出をまぬがれた刀剣類は、東京都北区赤羽にあった米軍第八軍兵器補給廠に集積されました。
その刀は、「赤羽刀」とも呼ばれています。
昭和22年(1947年)に、そのうち美術的価値があるものについては、東京国立博物館に引き渡されました。
それを国に移管するため、平成7年に「接収刀剣類の処理に関する法律」がつくられました。
議員立法として提案され、全会一致で成立しています。
この法律にもとづいて刀剣類(刀、槍、薙刀)が国有化されました。
まず、進駐軍から引き渡された「赤羽刀」の数が、曖昧だということです。
昭和24年(1949年)4月、国家地方警察本部がつくった『進駐軍より返還せられた刀剣類作者別分類目録』というのがありますが、この「目録」に掲載されている刀剣の数は4460本です。
文化庁・文化財保護部・美術工芸課が、平成12年につくった『赤羽刀(接収刀剣類)』という冊子がある。ここには、約5500本と書かれています。
平成7年にできた「接収刀剣類の処理に関する法律」にもとづいて、平成8年8月29日付の「官報」に告示された「赤羽刀」の数は、4576本でバラバラなのです。
私は、3月24日付の「朝日新聞」夕刊で、財団法人・日本美術刀剣保存協会の収蔵庫から、銃刀法で義務づけられている登録がなされているかどうか不明の391本もの刀が見つかったと報道された記事をとりあげました。
これは、ほんらい国に帰属するはずだった「赤羽刀」の一部ではないかと思われます。
無届け・無登録で、刀剣類を所持していたら、銃刀法違反です。
罰則は、3年以下の懲役・50万円以下の罰金です。
刀剣美術保存協会というのは、刀剣を専門に扱う公益法人です。
無届けの刀剣が長い間、放置され、登録されていたかどうかも分からない。
このようなことは、公益法人として、あってはならないものだと思います。
この391本以外に、別館地下倉庫から発見されたということも、答弁で明らかになりました。
大量の刀剣が、いつから収蔵庫にあったのかが問題です。
この収蔵庫は、昭和43年(1968年)に建てられました。
何者かが、運び込んだとしか考えられません。
それができるのは、権限のあるものです。
警察の対応も、問題があります。
通報を受けて協会に出向き、現場を確認したのは、1人だということです。
通常、通報を受けて現場を確認するとき、複数で行くのではないでしょうか。
その後、警察署に搬送したということですが、いつ搬送したのか。
現場をきちんと保存し、原因を突き止めるというのが、やるべきことではないでしょうか。
文化庁としては、警察任せにせず、きちんとした調査をすべきです。
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