奮戦記
【09.03.26】IMF改革なしに3100億円も増資していいのか
25日(火)に開かれた財務金融委員会で、IMFへの日本の増資を3100億円とする提案がおこなわれ、私も質問しました。──私は、「国民の生活が大変苦しい時期であり、財政的にも非常に深刻な状況にある中でこれだけのお金を出すというなら、それにふさわしいIMFの改革というものがともなわなければならない」、と問題提起しました。
改革の内容としては、第一にIMFの融資政策の改革、第二に途上国の意向が適切に反映するガバナンス改革が必要です。
まず、融資政策のポイントは、融資を受けた国の経済主権とIMFの政策介入、これをどう考えるかという問題です。
融資を受ける側の経済政策の自主性と、IMFが融資をした側としてその国の経済政策に対してどこまで介入すべきかということです。
与謝野大臣は、「IMFがかつて東南アジアあるいは他の国に十数年の間でいろいろやったときには、やはり各国の自主的な政策とIMFの方針がぶつかった。これは決していい結果を生まない」と答えました。
財務省の玉木国際局長は、「IMFは二〇〇二年に、コンディショナリティー、融資条件に関するガイドライン」で、「融資条件の策定に際しては、支援対象国自身の自主性を重視することや、融資条件を必要最小限に限定すること等を明確にしております」と答えました。
そのうえで「例えば国営企業の民営化等、マクロ経済の安定に必要不可欠とは言えないような構造政策を余りにも過度に課してきてしまったのではないかという議論にこたえたものだ」と述べました。
私は、途上国の要望にくらべて、きわめて不十分だと指摘しました。
次に、だれがこれを決定するのかという意思決定の問題をただしました。
従来から、先進国中心ではないか、大国中心ではないかというような批判があります。 例えば投票権のシェアについては、発展途上国とりわけ低所得国の比重を底上げする調整も行われていると言われます。
しかし、重要事項の決定は総投票数の85%以上となっています。
アメリカは16%強を占めていますから、アメリカがノーと言ったら決まらないのです。
つまり、アメリカにだけ拒否権があるということです。
私は「これは変わるのか」と聞きました。
玉木国際局長は、「米国の投票権シェアは増資前と同じ16.73%となっておりますので、特別多数決の成立のためにはアメリカの賛成が必要だという構図には変わりありません」と答えました。
アメリカの拒否権の廃止や先進国中心の運営の是正は、ほとんど行われていないことが明らかになりました。
私は「この点の改革なしに増資だけが先行して、日本はどんどんお金を出せばいい、ATM、現金自動的な引き出し機みたいな国でいいのか」と指摘しました。
依然として、従来のアメリカ中心の運営、あるいは緊縮財政、規制緩和、資本自由化、こういう新自由主義的な政策運営の根本的な是正にはつながっていません。
この立場から、日本共産党はIMF増資法案に反対しましたが、自民党、民主党、公明党などの賛成多数で可決されました。
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