奮戦記
【09.01.24】消費税大増税のレールを敷いた「付則」への書き込み
麻生内閣は、先週末、2009年度税制改正関連法案を閣議決定しました。
この法案の付則で、消費税率引き上げについて必要な関連法を2011年度までに整備する一方、引き上げ時期は別の法律で定める2段階方式を書き込みました。
また、10年度以内の集中的な景気対策で、経済状況を好転させることを前提にしています。
これにたいして、「2011年度に増税する表記は撤回された」(中川秀直氏)とか、「懸念はかなり取り除けた」(塩崎恭久元官房長官)との声が出されています。
はたして、そうなのでしょうか。
「中期プログラム」の取りまとめ責任者である与謝野馨・経済財政担当大臣は、「税制抜本改革の開始時期は2011年度を含む。物事があいまいになったり、先送りされた印象はない」と強調しています。──これが本音でしょう。
たとえば「経済状況の好転」と言いますが、それは「潜在的成長率の発揮が見込まれる」ことなのか、「デフレ懸念の払拭なのか」といった、判断のモノサシが決まっていません。
中川昭一財務大臣も、「『経済状況の好転』というものが、非常に抽象的であるということは私も認める」と言いました。
ということは、2011年度に「経済が好転する」と政治判断すれば、いつでも消費税を増税することができるということです。
したがって、今回の自民党内部のごたごたは、消費税増税に「賛成」か「反対」かの対立ではありません。
消費税の大増税をどのようなタイミングで行うかの「対立」にすぎません。
いずれにしても、税制関連法案の付則に書き込んだことが問題なのです。
国民の6割が反対している消費税増税は、絶対にやってはならないのです。
財源は、ムダと軍事費を削り、230兆円も内部留保をため込んでいる大企業と大資産家に応分の負担を求めるのがスジでしょう。
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